起業家の失敗とは何か
<ピックアップ> Startups Anonymous: What Startup Failure Feels Like
毎回味わい深いスタートアップの苦悩を匿名でポストしてくれるStartups Anonymousですが、今回のはちょっとくるものがあります。「失敗」とは何か?という話題です。
登場人物はスタートアップを運営している方で、恐らく創業者かボードメンバーのいずれかでしょう。ある日、製品の公開に失敗をしてしまいます。かなりショックだったようですが、ビジネスや投資金に関する問題はなく、ただ関係者ががっかりしただけで会社は継続したようなのです。しかしここから2年間ほど小さな失敗が続き、完全にやる気を失ってしまうことになります。
失敗をして、そこからある一定期間やる気を失ってしまう。出資金を失ったことや周りをがっかりさせたことをくよくよ悩み、そしてそこでふと認めたくない事実に出会うわけです。もう自分はこの事業を愛せないと。別に売上げが落ちたとか資金調達に失敗したとかではなく、事業への情熱が失われたこと、つまり自分にこそ失敗の理由はあると気がついたーーそんな具合です。
本当の失敗とはこういうことをいうのかもしれません。
よく、起業家論で「失敗はした方がいい、できるだけ若い内に、さらにできるだけ多く」という話がでてきますが、それとは質の違う話題です。サービスが上手くいかない、資金調達で理解が得られなかった、会社のキャッシュが尽きてしまった。そんな失敗よりも「やる気がなくなった」ことの怖さというのは大変深いものがあります。
資金もあってビジネスも回ってるのにやりたくない。そこで時間を費やすことの恐怖。情熱がなくなったことへの否定。一攫千金を狙ってこのスタートアップ界隈にやってくる人たちの失敗が早いのもそれが理由かもしれませんね。お金だけへの情熱っていうのはなかなか続くものではありませんし。
本質的に自分が何かを成し遂げると信じきってる人、そもそもこの危険と背中合わせの状況が好きで好きで好きでたまらないマゾ、そういう人でなければこの現場に立ち続けるやはり難しいのだなと再認識いたしました。