2014年5月9日23時18分
共同通信は8日、米ニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長の著作について、一部の記述を翻訳者が無断で書き加えていたとする記事を配信した。この記事に対して出版元の祥伝社は9日、「一連の記事は誤り」と報道を否定する著者の見解を発表した。
問題となったのは、ヘンリー・ストークスさんの口述や原稿を藤田裕行さんが翻訳した「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)。昨年12月に発売され、約10万部売れたベストセラー。この中の「『南京大虐殺』などなかった」との記述について、共同通信はストークスさんが「後から付け加えられた。修正する必要がある」と取材に答えたと報じ、藤田さんも加筆を認めたとしていた。
これに対してストークスさんは9日、「本書に記載されたことは、すべて著者の見解。訂正する必要を認めない」とした。祥伝社によると、ストークスさんは記者の質問の趣旨を誤解して答えたと説明しているという。
共同通信社総務局は9日夜、「翻訳者同席の上で元東京支局長に取材した結果を記事化した。録音もとっている」とのコメントを出した。
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朝日新聞社会部
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