天井からぶら下がったビニール傘の柄を握ると、かすかな振動が伝わってきた。京都市内で降っている「雨」だという。データ送信されてきた雨の振動を再現する装置「アソブレラ」だ。
開発した大阪大学の伊藤雄一准教授は、「遠く離れたおじいちゃんの肩たたきをする」といったことに応用したいと話す。
アソブレラは、グランフロント大阪で活動する企業や研究機関が開発した技術・製品をたたえる第1回「ナレッジ・イノベーション・アワード2013」の最優秀賞を受賞。新技術・製品を無料で体感できるグランフロント大阪内の「アクティブラボ」に展示されている。
同施設には、ほかにスポーカーの電気自動車(EV)、専用メガネなしで3D(3次元)映像が楽しめる装置など未来を予感させる技術が並ぶ。年間45万人の来場を目標としていたが、昨年4月のオープンからことし2月末まで約90万人に達した。
アクティブラボは、さまざまな人の交流を促しイノベーション(革新)を生むことを目指す知的創造拠点「ナレッジキャピタル」の一角だ。会議室やカフェを備えた会員制スペース「ナレッジサロン」や企業のショールームもあり、交流が生んだアイデア、技術はすでに90件を超える。
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