小学館コミック電子版の再ダウンロード期限トラップに関しては過去何度かお伝えしていますが、最近また話題になっていたので現在の状況を改めて調査してみました。
小学館コミック電子版の再ダウンロード期限トラップについては、これまで以下のような記事で指摘をしてきました。
- BookLive!で小学館コミックの配信が始まったけど「小学館マンガ作品の端末へのダウンロードは購入から5年間です」という笑えない制限が付いていた ※2012年10月5日
- 【要注意】ニコニコ静画(電子書籍)の小学館作品は、他店より安価だけど180日間の制限がついている ※2012年10月24日
ITmedia eBook USERに寄稿している「電子書店完全ガイド」でも、「購入した本はどうやって保管されるか?」という項目で、何度も指摘をしてきたつもりでした。しかし、なかなかこういう情報というのは、認知されないものだというのを痛感しました。
- 楽天koboの電子書籍再ダウンロード期限の罠 - はてな匿名ダイアリー ※2014年1月25日
楽天Koboの小学館コミックに5年間の再ダウンロード期限があって、5年後以降は読めなくなってしまうという1月の匿名投稿が、なぜか急に4月末頃になって話題になっていました。再ダウンロード期限縛りをしているのは版元の小学館なのに、なぜか楽天Koboが悪者にされ叩かれてしまうというのがなんとも。
毎週恒例のまとめ記事でも触れましたが、現在ではこの制限は撤廃されています。
うわー、koboの小学館コミック、5年間の再ダウンロード期限の記載が消えてる!(左は13年11月のキャプチャ、右は現在) pic.twitter.com/DExDy6GJgl
— yamakai (@yamakai74) 2014, 5月 3
楽天koboの一部の本の再ダウンロード期間の設定が廃止になったそうです。以下の件についてカスタマーサービスに問い合わせてみました。「5年後には再ダウンロードができなくなる、ということはございませんのでご安心ください。」とのことです。
http://t.co/nTbUcjEUCw
— Tsuyoshi Miyakawa (@tsuyomiyakawa) 2014, 5月 3
じゃあ、いま他の電子書店はどういう状況なんだよ? というのを改めて整理してみようというのがこの記事の目的です。
Amazon Kindleストア
再ダウンロード期限はありません。
楽天Kobo
上記の通り、再ダウンロード期限は撤廃されました。
紀伊國屋書店ウェブストア/Kinoppy
再ダウンロード期限はありません。ちなみに紀伊國屋書店ウェブストア/Kinoppyに小学館コミックが配信されるようになったのは他社よりかなり遅れており(2013年3月)、恐らく再ダウンロードの制限が撤廃されない限り配信しないという意志を貫いていたものと思われます。
BookLive!
再ダウンロード期限はありません。「BookLive!で小学館コミックの配信が始まったけど「小学館マンガ作品の端末へのダウンロードは購入から5年間です」という笑えない制限が付いていた」を書いたのは2012年10月5日ですが、半年後くらいに撤廃されているのに気が付きました。
eBookJapan
再ダウンロード期限はありません。創業者は小学館出身で資本も入ってますからね。
iBooks Store
再ダウンロード期限はありません。
ニコニコ静画(電子書籍)
再ダウンロード期限はありません。「【要注意】ニコニコ静画(電子書籍)の小学館作品は、他店より安価だけど180日間の制限がついている」を書いた2012年10月24日時点では期限付きだったのですが、いつの間にか撤廃されていました。ニコニコのお知らせなど調べてみましたが、特に告知は出していないようで、いつから変わったのかは不明です。
ブックパス
再ダウンロード期限に関する記述は見つけられませんでした。なぜそんな微妙な言い方をするかというと、同じ「ブックリスタ」系のソニー「Reader Store」には……
Reader Store
5年間の再ダウンロード期限が残っているからです。ただし、Reader StoreのDRMはバックアップ可能で、機器認証済みの端末であればダウンロード済みコンテンツは読み続けられるのですが、裏を返せば機器認証済み端末が全滅してしまったら読めなくなるということになります。
東芝BookPlace
5年間の再ダウンロード期限があります。ただし、「作品を読める期間の制限はありません」と明記されているので、ダウンロード済みコンテンツは読み続けられるものと思われます。
honto電子書籍ストア
1825日(5年間)の再ダウンロード期限があります。以前は1年間だったので、いくぶんマシになった、という感じです。5年以降どうなるかは不明ですが、以前通りならダウンロード済みコンテンツの閲覧に制限はないはずです。
ソク読み
1825日(5年間)の閲覧期限があります。5年以降どうなるかは不明です。「閲覧期限」なので、恐らく……
Yahoo!ブックストア
1825日(5年間)の閲覧期限があります。ブラウザビューワはストリーミング再生なので5年以降は見られなくなると思われますが、アプリでダウンロードする方式はどうなるか不明です。こちらも「閲覧期限」なので、恐らく……
GALAPAGOS STORE
小学館コミックだけ取り出し期間に5年間の制限があります。2012年10月31日以前に購入した人には適用されない制限なので、Amazon Kindleストア上陸以前は制限がなかったのに、それ以後制限を科せられてしまった気の毒なストアです。
DMM.com
7日間の再ダウンロード期限があります。ここは原則「無期限ダウンロード」なのですが、小学館コミックは非対応です。ダウンロード済みであれば、閲覧期限はありません。バックアップ可能なDRMかどうかは不明ですが、サイファー・テックなので恐らく……。
その他
BOOK☆WALKER、GooglePlayブックス、Renta!(パピレス)あたりは、小学館コミックの配信そのものがまだありません。とくにBOOK☆WALKERは、同じ小学館でもガガガ文庫などのラノベ系は配信済みなので、恐らくこの再ダウンロード期限の制限を嫌っているため配信できていない(かつての紀伊國屋書店と同じ?)のではないかと。あくまで想像ですが。
ちなみに直営の「コミック小学館ブックス」は、どこにも「再ダウンロード期限」や「閲覧期限」的な記載がないので、たぶん特に制限はないのだと思いますが。思いますが。思いますが……
全般的に、以前の「180日」とか「1年間」といった制限に比べると、わりとマシになっているのかなという感じです。ただ、小学館コミック以外でこういう制限が残っている事例は少ないので、やっぱり小学館ェ……という結論で締めさせて頂ければと思います。とほほ。