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【スポーツ】

<首都スポ>黒後愛 東京五輪のプリンセス バレーU−19合宿に飛び級招集

2014年5月9日 紙面から

2020年東京五輪のプリンセスだ!!さわやかな表情でインタビューに答える黒後愛=東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで(武藤健一撮影)

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 バレーボール女子日本代表の木村沙織(27)=ガラタサライ=らを輩出した下北沢成徳高に入学したばかりの黒後愛(15)が、アジアジュニア女子選手権(7月16〜24日、台湾)に向けた4月のU−19(19歳以下)日本代表候補合宿に飛び級で初招集された。2020年東京五輪のプリンセス候補。東京五輪を22歳で迎える期待の179センチ大型プレーヤーを直撃した。 (占部哲也)

 まぶしいほどの白い歯がこぼれる。東京五輪のプリンセス候補は笑顔が絶えなかった。黒後愛。今春に中学を卒業したばかりの15歳は、宇都宮市のバレー一家に生を受けた。身長185センチの父・洋さん(48)は宇都宮大の女子バレー部を関東1部に引き上げた名将。父と娘のスポ根を想像していたが、屈託のない笑みにあっさり期待は裏切られた。

    ◇   ◇   ◇

 −やはり、お父さんの影響でバレーを始めた

 黒後「父からバレーをやれと言われたことはなかったです。姉がやっているのを小さい時から見ていたので面白そうだなって。小3から本格的に始めましたね。父はたまに試合を見にきてスパイクのフォームとかアドバイスしてくれますけど、ほとんど口は出さないです」

 −言い返したりしてしまうから

 「言い返さないですよ(笑)」

 −得意なプレーは

 「得意というか、好きなのはレシーブです」

 −アタッカーなのに

 「打つのも好きですけど、レシーブの方が好きです。アタッカーが思いきり打ってくるスパイクをあげていくのが楽しい。あと、駆け引きがバレーの面白いとこ。強打かフェイントかってね。読み合うのも面白いです」

 飛び級で女子ジュニア選手権の代表候補合宿に呼ばれた逸材。179センチの大型アタッカーはおちゃめだ。

 −宇都宮と言えば日本一を奪還したギョーザ。やはり大きくなる秘訣(ひけつ)ですか

 「自分はそんなにギョーザが好きではないので…。どっちかって言うとイチゴが好きです。イチゴを食べて大きくなりました(笑)。親戚がイチゴを育てているのでもらえるのです。春はたくさん食べますね」

 中学入学時には身長が170センチに。バレーで高さは大きな「武器」になるが、学校生活では「脅威」に変わるようだ。

 「中学の時は教室の入り口とかに頭が当たりそうでした。中学3年生の時が一番危なかった。ぎりぎりで。スキップしたら確実に当たっちゃう。今の寮も部屋の入り口が危ないですね」

 −女子としては身長が高い

 「もういいです(笑)。中学の時は学校で(身長は)2番目。バレー選手としては伸びたい。複雑ですね」

 やはり、素顔は15歳の女子高生。そして、ディズニー好き

 「春休みに(ディズニー)ランドとシーに2回行きました。映画もアナと雪の女王を見ましたよ。でも…。間違えて字幕で。だから、今度のオフは吹き替えをもう一度見ます。(主題歌も)歌えますよ。歌えますけど披露するのはちょっと…。バレーから話がどんどんずれちゃいましたね」

 −では、地元を離れ、名門に進学しようと思ったのは

 「中学の時は体のトレーニングをしてこなくて。成徳は体力面をしっかりやるので選びました。父にもそこは指摘されました。尊敬する木村沙織さんの母校でもありますし。高校ではホワイトボードに体脂肪を書かれるので頑張らないと。体脂肪が本当にまずい。早くやせないと。でも、成徳のトレーニングでは筋肉がつくと思います。そこも(女子としては)複雑ですけど。跳躍力も上がる実感があります」

 −東京五輪は意識しますか

 「正直、そんなに意識してなかったです。決まった時も寝てましたし、朝起きてニュースを見て『そうなんだ』と思ったくらい。あまり、6年後の自分を描けない。でも、最近周りから言われるようになって少しは意識が変わったかな」

    ◇   ◇   ◇

 レシーブが大好きな大型スパイカー。中学時代は部員が6人ぎりぎりの時期もあり、「どこでもやった」という万能性を身に着けた。目標とする日本のエース木村の母校に進学した後継者候補は、6年後の東京五輪のコート上で、大輪の花を咲かせるかもしれない。

<黒後愛(くろご・あい)> 1998(平成10)年6月14日生まれの15歳。宇都宮市出身。179センチ、71キロ。横川西小3年でバレーボールを始め、若松原中2年時に全日本中学選抜に選ばれる。長身だが万能型プレーヤーで最高到達点3メートル2センチ。今春から木村沙織ら多くの日本代表を輩出した下北沢成徳高に進学。父、母、姉の4人家族。

     ◇

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