小保方氏絶句、解雇も STAP論文不正確定 理研が懲戒委員会設置
STAP細胞の論文問題で、理化学研究所(理研)は8日、不正があったと認定された小保方晴子研究ユニットリーダー(30)の不服申し立てに対し、再調査しないことを決め、小保方氏の研究不正が確定した。理研は同日、処分を決める懲戒委員会を設置。規定上、研究不正は懲戒解雇か諭旨退職処分が原則となっている。代理人によると、小保方氏は連絡を受け、ショックで絶句したという。
不服申し立てから1か月。「悪意のない間違いで不正ではない」とした小保方氏の訴えは、はねつけられた。
理研調査委員会はこの日、報告書を理事会に提出するとともに、記者会見し「データの加工で、結果が真正でないものとなった。改ざんと捏造(ねつぞう)という不正は明らか」と、再調査不要とした理由を説明。「悪意と故意は同義」などとした。報告を受け、理研は不正があったとされた論文1本の取り下げを正式に勧告した。
小保方氏の代理人・三木秀夫弁護士は、決定に「本当に腹立たしい」と怒り心頭。「結論ありきの報告書だった」と批判した。取り下げ勧告については「あらためて確認はしてないが、変わらないと思います」と、従来通り従わない意向。三木氏によると、小保方氏はショックを受け、絶句したといい「何を言っても通らない」と、うちひしがれた様子だったという。
不正が確定し、今後は処分が検討される。理研は同日、懲戒委員会を設置。小保方氏や共著者の理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長らの処分を決めるほか、所属長らの管理責任も問う。理研の規定上、研究不正が認定された場合は懲戒解雇か、自発的に辞めた形とする諭旨退職の処分が原則。ただ情状を酌量された場合は、出勤停止などに軽減されることもあり得る。処分は1か月程度で決まる見通し。
三木弁護士は「処分が出た場合、今回のように不服申し立てはできないと思う」とした上で、「訴訟はひとつの対抗手段ではある」と法廷闘争に含みを持たせた。小保方氏は、研究を引きずり下ろされる状況を嘆き、「このまま日本にいていいのだろうか」などと漏らしたという。三木氏によると、国内外の複数の研究機関からオファーは届いている。
また理研が、小保方氏に研究費用の返還を求める可能性もあるが、出資源などの精査が前提となっており、理研側は「前例を洗ってから対処する」と話した。三木氏は費用について「今回の研究は理研を挙げてのもの。彼女の個人的な実験ではない」と反論した。