子供の本を通じて国際理解を目指す国際児童図書評議会(IBBY)の元会長、島多代さん(76)が集めた世界の絵本の展覧会「島多代の本棚から―絵本は子どもたちへの伝言」が、東京・銀座の書店「教文館」で開かれている。専門家が「世界的に貴重」と評するコレクションを系統立てて一般に公開するのは初めて。4月28日には皇后さまも訪問された。
半世紀にわたって収集した約3千点のうち、主に19世紀から1940年代までの欧州、米国、ロシア・ソ連の絵本など約140点を展示。印刷技術や芸術運動の進展、人々の生活や社会の変化とともに、絵本が移り変わる様子が一望できる。
子供の本の草創期の作品のほか、ロシア革命の理想を求めたソ連の絵本、移民により多様な文化が流入した30年代の米国の絵本などからは、歴史的背景や当時の人々の思いが見て取れる。
島さんは米国居住中に米国議会図書館児童書センターのコンサルタントとして膨大な蔵書に親しむとともに、自ら収集を進めた。日本では児童書の編集にも携わった。
5月27日までの会期中無休。有料。〔共同〕
絵本、皇后さま、教文館、IBBY