カンブリア宮殿【激安もやしの裏側!33年連続黒字…挑み続けた型破り経営】 2014.05.08

5人のちびっこ兄弟が駆け回りいつもにぎやかな平野さん一家
今日の昼ごはんのおかずは…
山盛りの
出勤している奥さんに代わりご主人が手早く仕上げたのは…。
うまそう!たまご焼きをのせたもやしのあんかけ。
6人前で材料費はたったの…
手と手をあわせていただきます。
週に3度は並ぶというもやし料理。
家計を助ける強い味方だ
こちらは都内のスーパー
もやしはやはり人気者。
よく売れている
そうほんとに安い。
この店では一袋…
野菜の値段は季節やお天気で変わるもの
ちなみにキャベツは今…。
ひと玉170円だが…
1年を通してみるとこんなに価格が動いている。
一方もやしは…。
一年中ず〜っとお買い得
この庶民の味方とも言える野菜で驚異の黒字経営を続ける会社がある
サラダコスモ
その会社は木曽の山々に囲まれた
ここがサラダコスモの本社ビル
このもやし軍団を率いるのが…
もやしをこよなく愛する男
その実績は驚異の右肩上がり。
33年連続黒字で売り上げは72億円に達する
業界では3本の指に入るもやしのメーカーだ
このもやしどんなふうに作られているのか?
サラダコスモのもやし工場は中央アルプスのふもと水のきれいな場所にある
中には巨大なタンクがずらり
水の中に沈んでいるのは…豆。
これがもやしの原料だ
もやしになる豆は主にこの3種類。
それぞれ歯応えも味も違ったもやしになる
最も割合的に多いのがサラダコスモでは主に中国の契約農家から取り寄せたこだわりの有機栽培の緑豆を使っている
この豆から出てくる芽いわゆる発芽野菜がもやしの正体だ
そのスピードは驚異的
わずか1週間でこんなに育つ
深夜0時の製造現場
もやし工場はこんな時間に動き出す
中は真っ暗。
もやしは日の光を一切浴びせずに育てる
だからもやしは白くなるのだ
良質な豆に水を与えるだけ。
水のいい立地が選ばれるのはこのためだ
1週間で育ったもやしがタンクから出される
うわぁぎっしり。
あの豆がこんな量になる
夜のうちには製品化。
早いものはその日の午前中にはスーパーに並ぶ
まさに朝どりだ
サラダコスモは
卸値が1袋30円としても毎日1,500万円の売り上げが生まれる計算だ
おはようございます。
おはようございます。
お願いします。
はいどうも。
どうですか?
このもやし王国は社長の中田が一代で築いた
どうだ一生懸命作ってるか彼らは。
う〜ん悪くないね色もいいですね。
そこに至るまでには業界の常識を覆すいくつもの挑戦があった
中田の経営するサラダコスモ。
もともとは父親が戦後に始めた家族経営のラムネ工場
もやし製造はラムネが売れなくなる冬場の副業に過ぎず売り上げも200万円程度だった
信じられないような話だが40年前は…
もやしは薬品で漂白するのが当たり前。
塩素系の漂白剤を使って白くし更にその殺菌効果で日持ちさせようとしていた
子供の頃から家業を手伝っていた中田はいつしか体にいいはずのない漂白剤を使った食品作りに疑問を持つようになる
だってこれ私が親しくしている
会社を継いだ中田は決断する
それは誰もやったことのない挑戦。
まず豆を80℃で殺菌すると日持ちがよくなることを突き止めた。
これで漂白剤の代わりに
中田は早速自ら売り込みに回った
だが…
もやしは真っ白なのが当たり前の時代。
黒ずんで見えた無漂白もやしはまったく売れなかった
当時中田と一緒に無漂白もやしに取り組んだ北原は言う
しかし救いの神が現れる。
名古屋の生協が漂白していないおいしいもやしという触れ込みで扱ってくれることになったのだ
生協の歴史を綴った資料にはこんな一文が
中田のもやしはこうして日の目を見た
サラダコスモの躍進にはもう1つのきっかけがある。
かつての工場兼自宅
う〜!おぉ懐かしいな。
ここは40年前に自分で作った冷蔵倉庫だ
もやしの鮮度を少しでも保つため発泡スチロールの板と冷却ファンで冷蔵倉庫をなんと手作りした。
更に同じ設備をトラックに付け保冷車まで手作り。
当時もやしは工場から販売店までせいぜいしかしこの工夫で遠くまで運べるようにしたのだ
サラダコスモのもやしは今では北は青森から南は山口にまで届けられる。
それはもやしビジネスの革命だった
最初は業界の異端児だった無漂白もやしはしだいに売り上げを伸ばし今では他のメーカーも右へならえ。
無漂白が業界の当たり前になった
そして200万円から始まったもやしビジネスは今や…
超優良企業になったのである
世の中の常識に真っ向から立ち向かいもやしの王国を築いた男
あの改めてサラダコスモは農家と言ってもいいんでしょうか?それともメーカーですから製造業なんでしょうか?そうですねこのもやしの仕事の前私の父は岐阜県でソフトドリンクのラムネ屋さんでしたからね。
そのラムネ屋がこのもやしの仕事になりましたんで私どもの頭複雑…だけどおもしろいですねなんかね。
ちょっとこちら見ていただきたいんですけどももやしというともやしっ子っていう言葉があるくらい栄養の高くないイメージがあるんですけど実は違うんです。
安いのに意外と栄養価の高い野菜ということでしかも低カロリーだから最近ではダイエット本なんかも出てるんですけれども。
ビタミンが多いそれから繊維質も多い。
今日本にもやしメーカーって何社くらいあるんですか?それは競争が激しかったんでしょうか?引き継いでからがですね起きるのが深夜の1時らしいんですよ。
深夜の1時っていつも普通の人は寝る時間じゃないですか。
ちょっと夜更かしして寝るくらい。
その頃起きてですねで仕事を始めて夕方5時までほとんど働きづめで夕食もそこそこに夜7時には寝ないと体がもたない。
その頃のもやしって結局夜っていうか朝っていうか要するに1時に起きてもやし製造に従事するわけですよね?そのとき暗いからですか?そうじゃなくてですね今では村上さん信じられないような私たちは幼稚だったんですが…。
そういうビジネスモデル…。
だから冬にしか作れなかったんですね。
そう。
でも無漂白ですけどいわゆる漂白するのがあたりまえの業界で批判とかされなかったんですか?私が無漂白もやしを始めて扱ってから10年で日本の
人気爆発。
今ではお客も詰めかけるサラダコスモ。
しかし絶体絶命の危機もあった
いったい何が!?
無漂白もやしの成功で急成長したサラダコスモ。
だがそこに事件が起きた
問題となったのはこれ
もやしと同じ発芽野菜。
発売当初はちょっとしたブームで会社の業績アップに一役買った。
しかし
その際かいわれが原因ではと疑われた
現在でも原因は特定されていないがこの騒動で…
およそ半数の業者が廃業倒産に追い込まれたのだ。
サラダコスモもこんな記事が出るほど深刻なダメージを負った
当時かいわれの工場長だった安藤は…
生産ラインも大幅に減らした
訳もわからずに…。
会社はどうなってしまうのか。
動揺する社員たち。
中田は全員を集めてこう言った
中田はパートも含め1人もクビにしないと約束したのだ。
すると少しでも売り上げを取り戻そうとみんなが動き出す。
パートさんまで試食販売に出かけた。
片道4〜5時間をかけ東京や大阪に乗り込みかいわれの料理を作ってアピールした
あれはねたぶんね…。
失礼します。
ここはカットしといてください。
ダメダメ俺は強いことになってんだ。
かいわれショックから会社を立て直すのには5年がかかった
その間にも中田はある経営の改革を進めていた。
そこに実っていたのは
いいね。
サラダコスモでは10種類を栽培。
なかには日本で初めてとなる空芯菜やおくらもありこの分野のパイオニア的な存在だ
中田はかいわれを教訓に栽培する作物の種類を増やしリスクの分散を図ったのだ
スプラウトの売り上げは順調に伸び今では全体の4分の1をカバーするまでに
更に8年前から日本で初めてこんな野菜も作り始めた。
何だかわかります?ヨーロッパ原産の野菜ちこり。
この取り組みにはある大きな目的があった。
実はサラダコスモのある中津川市は過疎化と高齢化が進み人口が減り続けている
そして目につくのがこんな休耕地。
ふるさと中津川は衰退の一途。
何とかしたい。
中田が思いついたのがちこり栽培だった。
まず農家から休耕地を借り受けちこりの種芋を作ることに。
井田さんは農地を貸してくれた1人
ちょっと抜いてみますかね。
栽培と管理はすべてサラダコスモが行い農家に負担はかけない
こんなふうになってんですよね。
そんなふうに思ってます。
更に中田はちこりを栽培するだけでなくこんな施設まで作った
ドーンとお出迎えは高さ3mのちこり。
その名も世界でここ1軒だけのちこりのテーマパークだ
館内には地元メーカーと共同開発したちこり商品が並ぶ。
ちこりプリンにちこりコーヒー
そして大盛況なのがこちらのレストラン
ちこりをはじめとする野菜中心の料理がおよそ70種類。
バイキング形式の食べ放題で…
これが珍しくておいしいと遠方からもお客を呼び込んでいる
ちこり村で目立つのが年配のスタッフ。
実は高齢者の雇用をつくることも中田の狙いのひとつ。
活躍の場を得て…。
皆さんはつらつ!
すごいてきぱきとやってますけれども…。
何?何?てきぱきと働いてますね。
今おいくつですか?はい皆さんいらっしゃい。
社長も売る
お客さんどうぞ!
中田の狙いどおりふるさと中津川に人の集まる元気なスポットが生まれた
人口8万人の地に今ではかいわれ危機のことについて今一度お話をお伺いしたいんですけどO−157のときはどんな状況だったんでしょうか?でも1人もクビをきらずにっていうご決断をされたわけですよね。
ただそのときにリスク分散ということで品目が増えたんですよね?あれは雨降って地固まるみたいなのもあったんですね。
最初にちこりとどこで出会われたんですか?これですけれどもこれは模型ですけれども私が…。
心を奪われたんですね。
じゃあ僕がこれを作れるよ。
普通は見ることのないちこり栽培とは…
こんな様子
確かに真っ暗ななかで育てるもやしとよく似ている
かわいいですね。
かわいいですよねちこりってね。
なんかこう…暗闇を照らす…。
トーチ?揺らめきみたいじゃないですか。
挑戦する経営者中田がまた動いた。
向かった先は地球の裏側パラグアイ
南米中部の国
日本とほぼ同じ大きさの国土に670万人の人々が暮らしている
亜熱帯性の農業国だ
渡ろうか?はい。
今年3月首都アスンシオンに中田の姿があった。
この国で新たな挑戦に乗り出したのだ。
その現場は町の中心部からおよそ50キロ。
辺りは広大な湿地帯
おっ話変わるけど
やぐらの建つこの土地が中田の借りた農地
きれいになった。
日本ではほぼ100%輸入に頼るもやしの原料の豆を中田はここで育てようとしている。
いったいどれほどの土地かというと…
やっぱりいいわ。
はるか向こうまで開墾中の土地が広がるがこれでもまだ一部
実際に借りた土地は1,000ヘクタール。
東京ドーム213個分というとんでもない広さだ
すでに4ヘクタールの土地で試験栽培をスタート
今年2月に植えた緑豆が早くも元気な葉をつけていた
何千年もの間放っておかれたこの辺りの土地は草木が伸びては枯れそれが堆肥となり有機栽培に適した豊かな土壌となっているのだ。
それにしても中田はなぜこんな遠いところを挑戦の舞台に選んだのか?
あぁ福井さん。
いやぁこんにちは。
どうもどうも。
よく来てくれました。
駆けつけてくれたのは日系移民農家の福井さんたち
中田がわざわざパラグアイを選んだのはこの人たちがいたからだ
どうも…奥さま?日本を出て約40日。
パラグアイへ移住する人もここで上陸します。
移住政策で戦後パラグアイに移った日本人はおよそ7000人
彼らは荒れ地を開墾し土とともに生きてきた。
福井さんたちと中田のつきあいはもう10年以上。
中田は南米の日系移民を支援する会社を共同出資で作り作物を日本に輸入してきた。
それも作物が価値あるものだったから。
福井さんたちは世界的にも生産量の減っている非遺伝子組み換えの大豆を栽培していたのだ
今回中田は彼らに技術的なアドバイスをもらいながら緑豆を作る
この葉っぱは青虫。
今度は豆から自分の手で育て理想のもやしを作ってみたい。
1袋40円足らずのもやしだが中田の夢は膨らむ一方
社長頑張ってください。
やりますよやりますよ。
だってみんなが褒めてくれるほどにおいしいもやしを作りだしたって言ったらまぁ私の人生かけたって世界中の人に一時でも食べる瞬間に喜んでもらえたら生きてきて取り組んだ価値はもう十分ある。
新たなもやし王国をここから。
そばには大西洋につながる川が流れその先には日本がある。
パラグアイで育まれた豆が海を渡り感動を呼ぶもやしとなる日がやってくるのか
僕感心したんですけど今中南米ではもちろん北米もそうですがアメリカの穀物メジャーがもうすべての利権を抑えててでそのほとんどが遺伝子組み換え作物が多いですよね。
であの日系の人たちは非遺伝子作物を作ってらっしゃると。
それで自分たちがそうやって作ったものが中田さんを通じて自分たちがそこから出身である日本となんかそれでつながったらこんなすばらしいことはないと思ってるわけですから…。
なんかいい話ですもんね。
でぶっちゃけですねあのプロジェクトにどのくらい今お金がかかってるんですか?5億円くらいですか?はい。
なるほど。
やる価値があるわけですもんね。
ありますね。
なんかVTR見てるとワクワクして楽しそうですもんね。
あぁすごいよ。
すごいよ。
こう荒々しいような感じのすごいおいしいもやしを作りたいわけでしょ?あそこの豆で。
あれね見ててくださいよ。
中田社長今度は何を?
お客さんこれ見て。
妙なものを始めたぞ
見て。
これ2枚入ってる?1枚でこれ重いよ。
こんな光景が
これこれ!すごいですよね。
大きいでしょ。
中田が売り込んでいたのは20センチ四方はある巨大な油揚げ。
パラグアイの福井さんたちが作った大豆が原料だ。
日系移民の農家を応援したくて中田はこんなアイディアをひねり出したのだ
お客さんこれ見てこれはね日本でいちばん大きな油揚げ。
見て。
これ2枚入ってる?2つ買ってくれるの?お客さんも2枚?
いつの間にかお客さんが集まり買っていく。
う〜んつくづく不思議な社長だ
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/05/08(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【激安もやしの裏側!33年連続黒字…挑み続けた型破り経営】[字]

スーパーで1袋数十円、家計の強い味方であるもやし。そんなもやしに情熱を注ぎ、年商72億円、33年連続の黒字経営を続ける「サラダコスモ」の型破り経営とは?

詳細情報
番組内容
スーパーで1袋数十円と、ほかの野菜に比べても“激安”のもやし。岐阜県のサラダコスモはそんなもやしビジネスで年商72億円、33年連続の黒字経営を続けている驚異の企業だ。その生産現場は、驚きが満載!
もやし作りは「家業のラムネ屋の副業に過ぎなかった」という、社長の中田智洋。躍進のきっかけは、「無漂白もやし」を業界に先駆けて開発したこと。中田は、業界の常識を打ち破ってきた。
番組内容2
だが、危機もあった。作っていたカイワレ大根が「O-157事件」で壊滅的被害を受けたのだ。まさに崖っぷち…。そんな中でも中田は、必死に従業員の雇用を守り抜いた。
中田が今注目するのは、なんと南米パラグアイ。現地の日系移民の農家の力を借り、輸入に頼るもやしの種を栽培しようというのだ。「収支のめどが立っているわけじゃない。でもこれは意義深いよ!」と熱く語る中田。その“型破り経営”の全貌に迫る!
出演者
【ゲスト】サラダコスモ社長・中田智洋
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】

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【公式Facebook】

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