チャイニーズドリームvsアメリカンドリーム―調査に基づく比較

    By
  • LAURIE BURKITT

[image] European Pressphoto Agency

多くの中国人が将来に希望を持っている

 「チャイニーズドリーム」は、世界の経済・軍事大国としての中国の復活への道を描く際に指導部が数年前ごろから使うようになったあいまいな言葉だ。

 この表現が根づくかどうかと、多くの者が疑問に思った。だが新しい調査によると、一般市民の心に深く浸透したようだ。

 調査会社ミルワード・ブラウンと広告大手WPPが中国人、米国人、英国人、それぞれ500人を対象に実施した調査によると、チャイニーズドリームがその他の国のドリームをしのいだようだ。

 調査対象になった中国人のうち70%は、チャイニーズドリームの実現が自身にとって大切だと回答した。一方、自国のドリームの達成が重要だと回答した米国人は65%、英国人は39%だった。

 この調査によると、多くの中国人はこのコンセプトを支持している。心から信じているからか、あるいは「政府に従うことが、必要なことを実現する最も確実な方法だから」という実際的な理由からだ。

 だが中国人はチャイニーズドリームを、1930年代に普及し、文学や大衆文化で成功と繁栄を示すものとして広く使われる「アメリカンドリーム」の単なる模倣だとは考えていない。大半の中国人は、チャイニーズドリームを一層豊かで公平な社会への道、また将来に対する楽観ととらえている。

 この調査によると、中国人の61%はチャイニーズドリームが国の将来に対する自信を強めると回答。また66%は、チャイニーズドリームが自分自身の将来についての自信を強めると答えた。

 一方、米国人の方が中国の台頭を強く確信しているようだ。米国人回答者のうち55%は、中国が10年後には米国に対抗する勢力になると予想した。中国人の場合は、この割合が45%にとどまった。

 中国と米国の国民はそれぞれのドリームをどのようにとらえているのだろうか。また、ドリームの実現にどのような戦略が必要だと感じているのだろうか。以下のチャートにその一端がうかがえる。

[image] チャイニーズドリームの実現は自分にとって大切だ:70% 

[image] アメリカンドリームの実現は自分にとって大切だ:65% 

[image]

 (左)チャイニーズドリームの実現に重要なこと:

  1 個人の努力 (79%)

  2 人間関係   (60%)

  3 運        (49%)

 (右)アメリカンドリームの実現に重要なこと:

  1 個人の努力 (71%)

  2 勇気      (44%)

  3 運        (41%)

Copyright © 2012 Dow Jones & Company, Inc. All Rights Reserved

本サービスが提供する記事及びその他保護可能な知的財産(以下、「本コンテンツ」とする)は、弊社もしくはニュース提供会社の財産であり、著作権及びその他の知的財産法で保護されています。個人利用の目的で、本サービスから入手した記事、もしくは記事の一部を電子媒体以外方法でコピーして数名に無料で配布することは構いませんが、本サービスと同じ形式で著作権及びその他の知的財産権に関する表示を記載すること、出典・典拠及び「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版が使用することを許諾します」もしくは「バロンズ・オンラインが使用することを許諾します」という表現を適宜含めなければなりません。

www.djreprints.com