(新番組)臨場 2014.05.09

(筒井道也)う…うわーっ!
(立原真澄)一ノ瀬。
(一ノ瀬和之)おはようございます。
一課に何か用か?報告書を…。
わざわざお前が持ってくることはないだろ。
まそっちは上司が上司だ不満もあるだろうが…。
頑張れよ。
はいありがとうございます。
(課員たち)おはようございます!
(小坂留美)193…194…。
195…196…197…。
198…199…。
…200!あっおはよう。
おはようございます。
今日も朝からダイエットですか。
警察官が体を動かすことをダイエットとは言わないのよ。
鍛錬!わかる?ねぇそれよりファクス用の検視報告書知らない?ここに置いてあったんだけど…。
それなら提出してきました。
一ノ瀬くんが?一課に?ふ〜ん…。
今日も遅刻ですかね?
(倉石義男)どうだ気持ちいいか?ああそうかそうかそれじゃあもっとだ。
もっともっと…うん気持ちいいかうん…。
ああいい顔して〜。
おはよう。
ああいい朝だなぁおい。
何笑ってるんだい?
(携帯電話)はい倉石。
臨場の要請です。
現場は中野区本町9丁目6の5。
マンション室内に男女2名の変死体。
(パトカーのサイレン)本部鑑識課検視官心得の一ノ瀬です。
補助官の小坂です。
(関口刑事)検視官は?
(一ノ瀬)まもなく臨場するかと。
おたくら所轄なめてんのか?検視官が来なきゃ話にならないだろうが!すみません。
今こちらに直行してますので。
倉石さん…。
ダメですよ!おい斉藤!財布忘れちまった。
払っといてくれ。
はい。
あっ検視官制服を。
ああ。
ん。
朝採り。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
始めようか!ライト。
はい。
う〜アーモンド臭え。
青酸化合物だわ…。
よし脱がせるぞ。
(一同)はい!
(一ノ瀬)ベージュ色のストッキング。
ベージュ色のストッキング。

(一ノ瀬)身長。
身長。
162.3。
162.3。
男性。
男性。
185.7。
写真。
はい。
(シャッター音)
(シャッター音)検視終了10時10分。
10時10分。
イチお前うち来てどれぐらい経つ?半年です。
見立て言ってみな。
はい。
死因は両名とも青酸化合物による服毒死。
ですが合意の上での心中とは思われません。
第一に男はパジャマ着ですが女は外出着のままです。
第二に女が青酸化合物を持参していること。
男にどうやって青酸化合物飲ませた?飲み物がありませんから恐らく女は…。
う…うわーっ!以上の点から本件は無理心中事案と思料されます。
男も女も絡み合ってるうちが花だ。
ハナキンポウゲだ…。
しかし暑いなこの部屋は!室温は26度です。
昨夜は寒かったからね。
暖房かけっぱなしにしてたんじゃないの?男はこの部屋に住む筒井道也33歳。
女の身元は小寺裕子38歳。
小寺裕子には夫がいる。
それから隣に住む男性が昨夜の11時頃小寺裕子がこの部屋に入っていくのを目撃してる。
この2人不倫関係だったらしい。
だけど昨夜は情交の跡がない。
…だな?ホトケさんの直腸温度は?31度です。
とすると死亡推定時刻は…夜中の…2時頃。
うん。
イチ…妙じゃねえか。
女が訪ねて来たのは11時。
だったら心中するまで3時間も女はこの部屋でセックスもしねえで何やってたんだ?え…いやそれは…。
う〜ん…。
ああライト。
はい。
なんで昨夜だったんだ?なんでって…とにかく本件は小寺裕子による無理心中事案で間違いありません!動機は痴情のもつれでしょう。
今じゃ主婦の不倫は珍しくないですし…。
俺は小寺裕子はなんで昨夜犯行に及んだのかって聞いてんだ!そんなことわかるわけないじゃないですか!病死なのか事故死なのか自殺なのかあるいは他殺によるものなのか死因を究明するのが検視官の仕事です!犯行に至った経緯とか検視でそこまでわかるわけないじゃないですか!わかる!って言ったら…。
どうする?
(携帯電話)はい小坂です。
イチお前誰のために検視してんだ?え…?確かに不倫絡みの心中なんて珍しくねえ。
どこにでも転がってる話だ。
だがな…どんなクソ人生でもこいつらにとっちゃたった一度の人生だったんだ。
手を抜くな。
検視で拾えるものは根こそぎ拾ってやれ!了解しました。
杉並区内で男性の変死体が出たそうです。
一課の立原管理官から至急検視官に臨場してほしいと。
わかった。
イチあとはお前に任せた。
一ノ瀬くんに任せて大丈夫でしょうか?それより次の現場検視の俺より立原が先乗りか。
みたいです。
すぐに倉石を呼べって。
(パトカーのサイレン)
(花園愛)倉石さん!おお愛ちゃんか。
事件の概要教えてください。
後でたっぷり教えてやるよ。
(愛)検視官!それよか愛ちゃん最近メキメキ…。
検視官!後で絶対教えてくださいね!立派な家…。
お疲れさまです。
(江川康平)こちらです。
(鑑識係たち)お疲れさまです。
遅かったじゃないか。
ああここは寒ぃなおい。
一ノ瀬は?前の現場で居残り勉強だ。
ん?ジギタリスか…珍しいな。
原産地はヨーロッパ。
花言葉は確か…「熱愛」。
そんなものはいいからホトケをみろよ。
マルガイは上田昌嗣49歳。
職業は郷土史の研究家。
5年前に妻と死別。
以来この家に一人住まいだ。
豪勢なもんだ。
室温は6度です。
始めようか。
(鑑識係たち)はい!死体は地下室中央。
中央。
頭部を西方に左半身下方に横臥。
え〜頭頂部より右側頭部に…。
頭頂部右側頭部。
鈍器による裂創あり。
裂創。
ルーペ。
及び2か所の擦過傷。
2か所擦過傷。
写真。
(シャッター音)倉石見立て言ってみろ。
自殺だ。
自殺だと?理由は?この2つの擦過傷は…ためらい傷だ。
ためらい傷ときたか。
ダンベルで自殺ねぇ。
だったらこれはどう説明する?「時来たり須藤の山芋うらめしや」…。
筆跡鑑定はまだだが死ぬ前にホトケが書いたと思われる。
じゃあこれダイイングメッセージですか?俺は長ぇこと鑑識やってるが死体がそんな洒落たシロモン残したためしはねえな。
俺は刑事を長いことやってるがねダンベルで自殺した人間にお目にかかったことは一度もない。
なあ?これはダンベルを凶器にした撲殺事件だ。
俺のとは違うなぁ。
ためらい傷がある以上…。
自殺だ。
(江川)管理官。
「時来たり須藤の山芋うらめしや」。
上田氏の知り合いに須藤明代って女がいるんだ。
見立て違いだ。
お前のメッキもはがれたものだ。
第一発見者か?
(坂東治久)佐々木奈美さんです。
どうしてここへ?上田氏はカルチャーセンターで講師をしていて佐々木さんはそこで事務の仕事をされてます。
一昨日上田氏は講義を休まれたそうです。
(佐々木奈美)先生は心臓が悪かったんでたびたび講義を休まれることはありましたが無断で休むことは一度もありませんでした。
訪ねた時玄関のドアは?鍵はかかってませんでした。
それで中に。
地下室のドアは?少し開いた状態でした。
地下室のドアが開いてた!?倉石さん!あのもういいですか?お手間をとらせてすみませんでした。
ありがとうございます。
(舌打ち)倉石さん!捜査には口出ししないでもらいたいもんですね。
心臓悪かったんだ…。
須藤明代さんご足労いただいて申し訳ありません。
(須藤明代)ああの…上田先生が亡くなられたってホントなんですか?はい。
今朝ほど自宅で遺体で発見されました。
心臓のご病気ですか?失礼ですがあなたと上田昌嗣さんの関係を教えていただけますか。
はい。
えっと…上田先生の小説の教室に私も通っています。
あの…荻窪のカルチャーセンターです。
私がお聞きしたいのはあなたと上田さんの個人的な関係なんです。
上田さんの死亡現場にあなたに対する恨み言ととれる書き置きがありましてね。
だったら殺しで決まりじゃないですか。
これどう見てもダイイングメッセージですよ。
でも須藤という人が犯人だと名指しするために書いたとして山芋って何?季語じゃないですか?ダイイングメッセージに季語はないでしょ。
(一ノ瀬)いやでも作家ですから。
うるせえよお前ら。
何ぐだぐだ話してるんだ。
死後2日経ってるしなぁ…。
イチ。
はい。
何か気づいたことは?着衣のほこりが気になります。
ガイシャは横向きに倒れてたんですよね?なのに背中の部分にもほこりが付着しています。
それだけか?あの…。
ん?あの電球…。
地下室はほこりだらけです。
なのにこの電球だけはほこりが全くついてません。
最近新しいのに替えたんじゃないですか?あ…皮膚変色があるな。
赤い斑点のような…なんでしょう?
(愛)記者発表では変死事件とのことですが状況からすると他殺で間違いないと思うんです。
(赤塚渉)他殺で決まりなら遺体はすぐにも司法解剖に回すだろ。
なのになんでこんな時間まで倉石が現場にいるんだ?確かに…。
何かありますね。
当たってきます!
(足音)ああ疲れた…。
あら?電気…。
(物音)何してるの!?新日さん。
(愛)いや〜…。
今度勝手に入ってきたら出入り禁止よ。
違いますよ!皆さんがいらっしゃらないからお待ちしてたんです。
で杉並の事件なんですけど…。
残念だが話すことは何もねえな。
う〜んひとつだけ!
(愛)凶器はダンベルですよね?現場に血のついたダンベルが転がってた。
殺しですよね?私女を売りにする女って嫌いなの。
男を売りにしてる女もどっこいじゃないですか。
倉石さん凶器はダンベル話すことは何もない。
それが答えということでいいですね?いいよ。
(愛)うふふふ…失礼しました〜。
上田さんを殺害したのは男だとばかり思ってたけど女もありですね。
どういう意味よ?大した意味じゃ…。
悪口は言いたくないんですけど上田先生には色々と問題があって。
女性の生徒さんにすぐ手を出されるんです。
(奈美)最近は須藤明代さんと付き合ってたみたいで。
(江川)上田氏と須藤明代は2か月ほど前から男女関係にあったようです。
上田氏が死亡したとみられるのは今月13日。
その日の須藤明代のアリバイについては現在裏を取っているとこです。
(ドアの開く音)倉石…。
まずいですよ!呼ばれてもないのに検視官が捜査会議に出席するなんて。
そんなこと言ったって止めて聞くような人じゃないでしょ。
んなもんいつ書けるっていうんだ!俺は事実を言ってるだけだ!ダンベルで頭殴られた人間が死ぬ間際に書いたっていうのか。
書けるわけねえだろ。
すぐに絶命したとは断定できないだろ。
倉石お前俺らの捜査が気に入らないのか?変死事件だと言いながらはじめから殺しだと決めつけるのは間違いだと言ってるんだ。
わからない奴だな。
どう見たって殺しだろ。
頭部にあった擦過傷!あれはためらい傷だ。
須藤明代が犯人なら女は非力だ。
ダンベルを凶器にすれば一撃ではやれない。
擦過傷があっても不思議はない。
違うな!あれは自殺だ。
そのことを踏まえて捜査しろ。
倉石!お前何様のつもりだ。
捜査の指揮をとってるのはお前じゃない。
この俺だ!その捜査は誰の見立てで始まるんだよ?倉石を検視官から外してください!倉石の言動は組織としての統制を乱すものです。
倉石の見立てが間違ってるというのか?今度ばかりは。
倉石の見立ての確かさは認めます。
だがそもそも組織には馴染まない。
見立てができなければただの鼻つまみ者です。
今日は立場もわきまえず捜査会議に押しかけてきて捜査員の士気を鈍らせるようなことを平気で言う。
こんな勝手は許されるものではありません。
見立てが違うか…。
まあ倉石が組織に馴染まないことは確かだな。
杉並の事案のカタがついたら考えよう。
(矢野間文)こんにちは〜!勉強堂で〜す!あ…お取り込み中でした?いやいやいいよ今終わったところだ。
(文)ああよかった。
ワイシャツできました。
ちょうどよかった。
ちょいとひと揉みしてくんねえかな。
最近肩がこっちゃってさ。
ふふ…。
はいはいはい…。
これホントだわ。
いやあ刑事部長さんともなると色々大変ですよねぇ。
人事のこととかねぇ。
ああ〜!じゃあ何今度の事件で倉石さんの見立てが間違ってたら異動させるっていうの?そうみたい。
ああそこそこ…気持ちいい…。
文さんはホントマッサージうまいね。
(文)ありがとうございます。
ああもういいよ。
ありがとう。
はいどうもすいません。
ありがとうございました。
ああちょっと待って。
はいこれ。
朝採り。
ありがとうございます。
私はね倉石さんのそういうところがねホントに好き!アハハありがとうございました!
(文)どうも〜!ああ軽くなった。
あっスッキリ!どちらへ?車いらね。
検視官さっきの話…。
(あくび)
(一ノ瀬)あの人自分の異動話にも興味ないみたいですね。
一ノ瀬くんちょっと付き合って。
気をつけて。
どうもありがとうございます。
(須藤肇)今日も警察に呼ばれてんだろ。
店もう出なくていいから。
え?
(須藤菊江)警察があんたのこと聞き回ってるって近所じゃ持ちきりだよ。
すいません…。
(菊江)明代さん本当に事件には関わりないんだろうね?はい…。
何かあるはずだわ。
ダンベルを用いての自殺それを証明する何か…。
(一ノ瀬)どう見ても殺しですよ。
一ノ瀬くんには倉石さんがどうなろうと関係ないのよね。
あなたが検視官心得になったのはあくまで出世のため。
腰かけなんだから。
あんな人にはついて行けませんよ。
現場で死因の見立てを行うまでが俺たち検視官の仕事です。
あとの捜査は刑事の仕事じゃないですか。
でもそれが倉石さんの言う根こそぎ拾うってことだもん。
(ため息)私以前所轄で白バイの隊員してたの。
来る日も来る日も交通取り締まりの任務に当たってた。
3年前よ。
あるひき逃げ事件があって5歳の女の子が亡くなったの。
でも私は死んだその子に対して何もしてあげられない。
無力な自分が歯がゆかった。
その時検視官として倉石さんが現れたの。
倉石さんが?驚いたわ。
交通課に乗り込んできて平気で怒鳴りまくるし。
でも被害者の遺体にあった傷からサイドミラーに特徴のある車だって言い当てて。
おかげですぐに犯人を検挙することができたの。
(留美の声)それだけじゃない。
(留美の声)その時私見つけた気がしたの。
この人の下で働きたい。
私も事件の被害者や辛い思いをしている人の気持ちを根こそぎ拾ってあげたいって。
(西田守)聞いたよ。
捜査会議に怒鳴り込んだんだって?僕も見たかったなぁ立原くんとのやり合い。
そんな話どうだっていいよ先生。
まずは胃の内容物は?胃の中空っぽだったよ。
死亡した時少なくとも食後6時間は経過していたね。
それに脱水症状も起きてたよ。
監禁されてたか…。
もうひとつ。
胸部にあるこの小さな皮膚変色火傷じゃねえのか?先生。
ああ微少だが確かに火傷だね。
頭の擦過傷はどうみる?頭部の擦過傷は僕もためらい傷とみるけど自殺か他殺かと聞かれたら不詳としか答えようがないね。
一ノ瀬杉並の変死事案だが解剖結果が出た。
自他殺に関する所見は不詳。
俺の思っていたとおり倉石の見立て違い…殺しの線があるってことだ。
お前を所轄から本部に引き上げたのはこの俺だ。
いずれ一課にも引っ張ってやる。
鑑識は所詮下働きだが捜査にはその経験が役に立つ。
そのためにお前は今検視官室にいる。
…はい。
倉石に感化されるな。
あいつももうおしまいだ。
(愛)倉石さ〜ん!おお愛ちゃんか。
例の杉並の変死事件自殺なのか他殺なのか倉石さんはどう考えてるのか教えてください。
なんで知りたい?なんでってそりゃ特ダネがほしいからですよ。
特ダネつかんでどうする?それは…。
私今まだ契約なんです。
だから早く認められて正社員になってもっとバリバリやりたいんです。
だから…。
そりゃ立派な考えだ。
あっ…。
さあ握って。
たまには釣りでもしながらボーッとしてみな。
いいもんだぞ。
え?ああ寒い…。
(早坂真里子)たまには一ノ瀬くんでも連れてきてよね。
はい。
でなんでジギタリスなの?花まだでしょう?ああちょっとな…。
えっ!?ちょっとやだ!何して…出して出して!もう!ジギタリスの葉の粉末はね心不全の特効薬強心剤としての薬効があるけど有毒のハーブなの!そのまま口にしたらね死んじゃうことだってあるんだからね!ああそうだったハハ…。
植物に関しちゃ真里ちゃんは俺より上手だったな。
まあ死んだ姉さんの影響かな。
ねえもう17年だよ。
義兄さんもそろそろ好きな人でも見つけて…。
ちゃんとしてよね!ほっとけ。
俺はちゃんとしてる。
(真里子)もう…ほっとけないでしょ。
ほらふた。
とにかく病気に効くからっていって油断しちゃダメなの。
それがジギタリス。
油断しちゃダメか…。
ジギタリス…ジギタリ…。
3か月前に先生が心臓の病気で入院されて…お見舞いに行きました…。
先生はとっても喜んでくださって…。
(明代の声)退院後にお礼にって食事に誘われました…。
(上田昌嗣)少し休んでいこう。
私は前から君のことが…。
(明代)私そんなつもりじゃ…。
ごめんなさい困ります。
すいません失礼します。
じゃあこれをどう説明するんです?私上田先生を殺したりなんかしてません。
本当です。
信じてください!倉石!鑑識のお前が…取調室になんの用だ!?お前にこれ以上的外れな捜査させるのも気の毒だしな。
俺の最後の見立て言ってやる。
聞かせてもらおうか…倉石。
上田は…ある人物によってここに監禁されたんだ。
ふふ…監禁?そいつは多分…「本を見せてほしい」とでも言ったんだろうよ。
一緒に地下室に行き…隙をみて…監禁した。
閉じ込められた上田は夜になりゃあここに寝るしかねえ。
だから上田さんの着衣セーターの背中にほこりが…。
待て。
そんなのは推測だ。
それだけで上田氏が監禁されていたことを証明することにはならない。
胸部にあったこの皮膚変色。
これは火傷の跡だ。
火傷?上田はこの部屋で寒さに震えた。
熱っ!彼には心臓の持病がある。
暖をとりたい。
どんなものでもいい。
そんなのはあくまで可能性にすぎん!いいえ私もそのことには気づきました。
実験してみました。
熱を持った裸電球を直に皮膚に当てたらどうなるか。
電球になぜほこりがついていなかったのか。
抱きしめたからです。
他に説明はつきません。
だったら犯人はやはり須藤明代だ。
上田氏は食事もできず寒さに震えて気を失った。
そこへ須藤明代が来てダンベルでとどめを刺した…。
違う!電球を当てたところで寒さはしのげねえ。
心臓の発作の痛みに苦しんだんだろうよ。
上田は死を覚悟した時どう考えたか…。
(一ノ瀬)せめて他殺に見せて自分を監禁した人物に捜査の手が及ぶようにしたい。
上田さんの死は他殺に偽装した自殺…。
だからダンベルを使ったんだわ。
頭部にあった擦過傷はためらい傷…。
上田は自分を監禁した奴が第一発見者を装うことを恐れた。
名指しはしたいがそのまま書けば犯人にわかって消されちまう。
そこで句をひとひねりした。
これはこう読むんだ。
「ジギタリス不治の病もうらめしや」…。
立原。
このジギタリスを贈った人物が…犯人だ。
「熱愛」が「憎しみ」に変わったんだろうよ。
小坂。
貼っとけ。
え?ビックリした。

(奈美の声)ジギタリスを贈ったのは私です。
先生の心臓病が良くなるようにと。
先生とは2年前から付き合うようになりました。
私がどれだけ先生を愛してたか…。
なのに先生は…須藤明代さんを好きになったんです。
私とは別れるって…。
許せなかった…。
でも殺すつもりはなかったんです。
私はただ先生を懲らしめるために2日だけ地下室に閉じ込めようと。
先生に私の気持ち知ってほしかったんです。
痛み分けだな。
はい?直接の死因が自殺だと言った倉石の見立ては間違っていない。
だが監禁し結果自殺に追い込んだのは殺人のようなもんだ。
はい…。
倉石にはこのまま検視官を続けさせるよ。
わかりました。
ああいう男こそ使いようだぞ。
心配かけてごめんなさい。
…すいませんでした。
いやいいんだ。
(菊江)いつまで待たせるんだい?夕飯が冷めちまうだろ。
先に行っててくれ。
お袋がうるさい。
こんな店だが…これからも頼む。
じゃあお先に。
小坂さん。
すいません…付き合ってください。
(一ノ瀬)小寺裕子はなんであの夜無理心中に及んだのか。
どうしてもわからないんです。
あの夜テーブルには何があったかしら?このハナキンポウゲと灰皿。
そう吸い口に茶色い色がついたタバコ…。
あれは筒井道也の血だったそうです。
ああ…ハナキンポウゲの花びらも落ちてたものね。
え?空気が乾燥してたってこと。
だからタバコを吸った時に唇がはがれて血がついたのよ。
これだ!裕子はタバコについた血を女の口紅だと思った。
筒井に新しい女ができたと思いこんだんだ。
だから悩みに悩んだあげく…。
(小寺裕子)ごめんね…。
あの夜無理心中に及んだんだ。
唇にあった傷だけで検視でそこまで…。
根こそぎ拾うっていうのはそういうことなのよ。
でも俺倉石さんのこと認めたわけじゃありませんから。
2014/05/09(金) 15:35〜16:30
ABCテレビ1
[新]臨場[再][字]

「鉢植えの女」

詳細情報
◇番組内容
臨場とは、事件現場に臨み、初動捜査に当たること。遺体や現場に残された物証から、事件の筋立てを読む検視官・倉石義男は、優秀だが死者の声をすべて拾えれば周囲との軋轢など気にしない組織の厄介者。「拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ」彼の死者に対する悼み方、優しさが死因を追究し事件解決へ導く。
◇出演者
内野聖陽 松下由樹 渡辺大 伊藤裕子 京野ことみ 金子さやか 橋爪淳 伊武雅刀 高嶋政伸 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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