先日書いた《もう30代の大人だけど、根本的にコミュ障で社会性が無い》という記事に「発達障害かも?」というコメントと貴重な情報を頂き、とてもありがたく、アドバイスを嬉しく思った。私は今まで自分にそういった病気を疑った事は無く、それはなぜなら社会生活で大きく迷惑をかけてしまうような出来事が無かったから。
でも一応と思い、ネット検索で見つけた診断をやってみた。質問の中には自分に強く当てはまる項目も多少あったが、 病気の疑いは無かった。
もし当てはまる項目が多いにも関わらず正常の範囲内という結果だったら、《性格以上・障害未満》の微妙なラインの人は生きづらいな…と感じた。
ある人の会社での出来事がネットの記事に書かれていた。それは、上司に「急ぎじゃないから適当にやっておいて」と頼まれた仕事を3日手をつけず注意を受けたり、「なんでも聞いていいから」と言われたので、立て続けに何度も質問をしたら「お前なぁ…」と呆れられてしまったという内容。
相手の本音を読み取る事が出来ず言葉をそのまま受け取ってしまうので、相手をイラつかせてしまうという事だ。おそらくこの方は、他にも社会に適応する事が難しい様々な症状があったので、障害の診断を下されたのだと思う。
他の症状については置いておいて、この一部分だけを抜き出して見ると、所謂「空気が読めない」「コミュニケーションが苦手」「相手の思いを読み取れない」というような人は普通によくいる。
それが医師から「あなたは病気です」と診断されれば、周りの意識も《仕方のない事・協力しなければ》になるのだけれど、病気ではなかった場合、周囲からは《性格に問題あり》という烙印を押されてしまう事になり、そんな風に人格を否定されれば、本人は「周りとは違う」という自覚があるだけに辛い思いをする。
もちろんこれは病気の方がいいと言っているわけではない。発達障害の方の特徴を本やネットで知れば、大変な病気だという事がよく分かる。ただ今回は、あくまでも自分の性格に悩んでいる人に焦点を合わせた話だ。
病気ではない場合、上手く社会に適応出来ない事は本人が一番よく分かっており、しかし健常者である以上、周囲からは「性格直せよ」という圧力がかかる(環境や状況にもよるが)。
病気ではないのに他の人と同じように上手く社会を渡れないとなると、生真面目な人であればもう自分を責めるしかない。
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実際に障害と診断されて「性格が悪いわけではなかったのか」とホッとする人も多いそうだ。
また、病気ではないという診断ケースも多く、精神科医である香山リカさんの著書によると、障害ではないとの診断結果に「そんなはずはない!脳に障害があるはずだからちゃんと調べて欲しい」と言う人もいるのだそう。
そんな人を状況によっては、"責任転嫁"や"甘えている"と感じる事はある。でも自分を"病気にしたい"ほど、社会との関わりに苦しんでいる人が多いとも言える。
和を乱してはいけないという風潮や、人と違えば後ろ指を指される中で、《健康な不適合者》が暮らしていくのは本人にしか分からない厳しさがある。
何度も言うけど、決して病気の方がいいと言っているわけではない。
私自身の事を言えば。発達障害を疑った事は無いけれど、気分変調性障害というものを疑った事がある。これはかなり性格と紙一重な部分があるので、自己判断は難しいと思う。
常に自己嫌悪に陥っていて心が重く、人生の終わり方を考える事もあり 「薬を飲みたい」と泣きながら思った事は何度もあったけれど病院には行かなかった。
体に症状も出ていなかったし働く事も出来ていたので、医師に「病気じゃないから薬は出せません」と言われる事が怖かったのだ。
病気になりたいとまでは思わないものの(そんな事を思っては深刻な病気で悩んでいる人に申し訳ない、という思いもあり)、体の症状もなく働けるのであればこれは自分自身の欠陥だと、さらに自分を責めていた。
今では諦めや開き直りや、同じような人がいるという事を知ったりで、そこまで自分を追い詰める事も無くなったので病気は疑っていない。
嫌々ながらも仕事と一人暮らしが出来ているので、今の暮らしをありがたいと思うべきなのかもしれない(おっと、私の悪い癖の"べき思考"が出てしまった)。
ただ、器用に生きられない自分へのもどかしさは常にある。一方、そんな自分を"個性的で可愛げのあるヤツ"と前向きに思えなくもないので、そう考えると私は成長したのかなとも思うが…。
生きづらさを感じている人に対して、私はとても共感する。そんな人の思いを綴った文章をネットで見かければ、胸がキュッと締め付けられるような気持ちにもなる。でも私は、表に出て誰かの力になりたい!というような行動力も社交性も無い。
だからせめて、ネガティブで内向的で内にこもっている人間がここにもいるよ~と、あなた1人ではないという事をブログで知ってもらえたら…と思っている(あ、あと自分を正当化したいという気持ちもある)。
※世の中には重い精神疾患の方もいて、その症状や特徴を知ると、私の悩んでいた事なんて本当に小さなものだと感じる。なので、こんな記事を書いてもいいのだろうか…と迷った。
が、「自分よりも辛い人は沢山いるのだから、このくらいの事で悩んではいけない」と苦しい心を押し込めてしまう事もまた違う気がする。
病気を軽視しているのではない事をご理解頂ければ幸いです。
読んでいただきありがとうございました。