アン・ジュングン記念館に韓国政府が代表団5月9日 18時45分
韓国の独立運動家で、初代韓国統監を務めた伊藤博文元総理大臣を暗殺したアン・ジュングンをたたえた中国東北部の記念館を9日、韓国政府の代表団が初めて訪れ、歴史認識を巡る日本との対立で引き続き中国と連携する姿勢を示しました。
この記念館は、1909年に韓国のアン・ジュングンが初代韓国統監だった伊藤博文を暗殺した、現在の中国・黒竜江省のハルビン駅にことし1月に設けられたものです。
9日、初めて韓国政府の代表団が訪れ、国の功労者に関する事業を担当する韓国の国家報勲庁のパク・スンチュン長官など20人が暗殺現場のホームを視察したあと、記念館の前で式典を開きました。
この中で、パク長官は「記念館をつくった中国政府に感謝する」とあいさつしたうえで、「韓国と中国の友好関係の象徴であるこの記念館の開館を契機に、両国が戦略的な協力関係を固め、発展していくことを望む」と述べました。
韓国政府は、このところ日本との間で外務省の局長級協議を開くなど、日韓関係の改善に向けた糸口を探っていますが、一方で、今回、アン・ジュングンの記念館に政府代表団を送ったのは、歴史認識を巡る日本との対立では中国との連携を続ける姿勢を示した形です。
官房長官「日本は冷静に対応」
菅官房長官は午後の記者会見で、「アン・ジュングンに対する立場は日本と韓国で全く異なっており、前世紀のこうした事件について一方的な評価に基づいて韓国と中国が連携して国際社会に主張を展開するような動きは、この地域の平和と協力の構築に資するものではない。わが国の立場はこれまでも韓国、中国に伝えており、日本は毅然(きぜん)として冷静に対応している」と述べました。
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