大飯原発 住民の申し立て認めず 大阪高裁5月9日 19時43分
定期検査のため運転を停止している関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機について、周辺の住民などが運転の再開を認めない仮処分を申し立てたのに対し、大阪高等裁判所はこの申し立てを退ける決定をしました。
福井県にある関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機を巡っては、おととし、福井県や近畿地方などの住民およそ260人が、「大規模な地震で重大な事故が起きる危険性がある」と主張して運転の停止を求める仮処分を申し立て、大阪地方裁判所は去年4月、「合理的な安全基準を満たしている」として申し立てを退けました。
3号機と4号機は去年9月に定期検査のため運転を停止し、現在、原子力規制委員会が新たな基準に基づく安全審査を進めていて、住民などはその後、運転の再開を認めないよう求めていました。
9日の決定で、大阪高等裁判所の林圭介裁判長は「運転の再開が差し迫っていることが明らかでなく、再開を認めない必要性があるとは言えない。原子力規制委員会の審査の結論が出る前に、裁判所が運転の再開を認めないと判断するのは適当ではない」として、大阪地裁に続いて住民などの申し立てを退けました。
原告団「判断を何もしていない」
裁判所の決定について、原告団の冠木克彦弁護士は「裁判所は具体的な判断を何もしていない。福島の原発事故で大きな被害を受けた日本は地震国家であり、そこに設置した原発の在り方が問われている。裁判所は安全性の問題を指摘するなど、今の時点で言うべきことは言えたはずで責任を果たしていない」と話していました。
関西電力「妥当な判断」
決定について、関西電力は「妥当な判断を頂いたと考えている。今後も引き続き大飯3、4号機を含む原子力プラントの安全対策に万全を期すとともに、新規制基準への適合性にかかる審査会合に真摯(しんし)かつ迅速・的確に対応し、安全性が確認された原子力プラントについては、立地地域の理解を得ながら一日も早い再稼働を目指したい」としています。
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