日本経済新聞

5月9日(金曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
  • ヘルプ

コンテンツ一覧

エンタウオッチング

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

なぜ「仮面ライダー」で若手俳優は成長するのか 輝く男の発掘・育成法(2)
日経エンタテインメント!

(3/3ページ)
2012/12/3 6:30
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
リプリント
共有

 仮面ライダーシリーズと比べると、その後に大ブレイクした俳優は、やや少ない印象がある。その背景には、仮面ライダーとスーパー戦隊シリーズのストーリーの作り方の違いが関係している、と鈴木氏は分析する。

 「仮面ライダーはダブル主演だった『仮面ライダーW』を例外として基本的には単独ヒーローなので、個性が強いタイプの俳優をキャスティングします。それに対して、スーパー戦隊シリーズは、色分けされた複数の登場人物が活躍する、グループヒーローものです。オーディションでもキャラそれぞれの個性を補完できることと、協調性を考慮して選びます。必ずしも、すべてのヒーローに、イケメンばかりが起用されるとは限りません」

 スーパー戦隊シリーズ出身の松坂桃李が、家族をテーマの一つにしたNHK朝ドラ「梅ちゃん先生」で活躍したのは、象徴的と言えるかもしれない。

 「スーパー戦隊シリーズでは、隣のメンバーの色が混じるくらいに、淡い感じの俳優が起用されることもあります。そうした持ち味を持つ俳優が必要とされる作品も多いと思います」

■ブルーバックでの演技も必須

 特撮ヒーロー主演俳優が経験する要素は、ほかにも多い。合成が多いため、ブルーバックでアクションをする技術を会得するほか、変身した後のシーン(演じているのはスーツアクター)につけるアフレコが行われるので、声を使った芝居も要求される。そこで得た技術を評価されて、特撮ヒーロー番組が終了してから、声優やナレーションで活躍を見せる俳優も少なくない。松坂桃李も、2012年1月に公開されたアニメーション映画「ドットハック セカイの向こう」で主要キャラクターの一人の声優として起用された。

 新しい試みとして、東映は2012年から特撮ヒーローを卒業した俳優が主演を務める映画シリーズ「TOEI HERO NEXT」をスタートさせた。

 特撮ヒーロー出身の俳優が、出演していた特撮ヒーローとしてではなく、新たなキャラクターを演じる内容になっているのが特色。第1弾として、2010年放送の「仮面ライダーオーズ/OOO」で活躍していた渡部秀と三浦涼介がコンビを組んで、人間が石化する事件の謎を追うという内容の「PIECE~記憶の欠片~」が2012年9月に公開。主題歌は三浦涼介が歌った。鈴木氏によると「観客の多くは女性」という。

 これまでは1年間の番組のオンエアが終わると、出演俳優は特撮ヒーロー制作サイドから“独立”してしまっていた。特撮ヒーロー出身俳優の女性ファン層にターゲットを絞り、彼らをうまく生かす企画として、この映画シリーズの今後の展開が注目される。

(次回は12月10日掲載)

(ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント! 2012年11月号の記事を基に再構成]

エンタウオッチングをMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
リプリント
共有
関連キーワード

仮面ライダー、オダギリジョー、水嶋ヒロ、山本裕典、塩谷瞬、綾野剛、賀集利樹、佐藤健、渡部秀、松坂桃李、永井大、テレビ朝日、東映、ゴーバスターズ、スーパー戦隊


日経BPの関連記事

【PR】

【PR】

エンタウオッチング 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

日経エンタテインメント!

全米歴代興収ランキングに見る、大ヒット映画の法則

 世界最大の映画マーケットである米国では、毎年600本以上の作品が公開されている。全米で人気がある映画は、いかにして生み出されるのか。最近の全米歴代興行収入ランキングの傾向を読み解くことで、今後のヒッ…続き (5/8)

『True Detective』。アメリカ南部のルイジアナ州。17年前に猟奇殺人事件を担当したマーティ・ハート(ウディ・ハレルソン)とラスト・コール(マシュー・マコノヒー)。現在は別の道を歩む2人が、再び過去と同じ手口の猟奇殺人が起きたため警察で証言することに。現在と過去が交錯しながら、事件の真相と2人に何があったのかが明かされていく。共演はミシェル・モナハンほか。1月12日よりHBOで放送スタート。全8話でシーズン1は完結した。シーズン2はスタッフ・キャスト一新で制作予定
(C)Everett Collection / Everett Collection

日経エンタテインメント!

オスカー男優がドラマ参戦 猟奇殺人に刑事役で挑む

 ゴールデン・グローブ賞授賞式中継の裏番組として、2014年1月12日に初回放送となった米国のケーブルテレビHBO(Home Box Office)の刑事ドラマ『True Detective』。全8話…続き (5/5)

ビッグバン。左からT.O.P (トップ)、D-LITE (ディライト)、SOL (ソル)、G-DRAGON (ジードラゴン)、V.I (ヴィアイ)

日経エンタテインメント!

50代男も熱唱 BIGBANG、動員数100倍の爆発力

 激動の時代でも自らのスタイルを貫き、海外アーティスト初の日本6大ドームツアーを実現したBIGBANG。2008年の3公演約8000人動員が、今や16公演約77万人に。約100倍にファンが増えた秘密を…続き (4/30)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経ウーマノミクス・プロジェクト

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

[PR]

映画館検索

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について