科学【新型の万能細胞「STAP」】東京女子医大・大和雅之教授「10年以内に臨床研究」、慶応大・岡野栄之教授「慎重な検証が必要だ」+(1/2ページ)(2014.2.10 14:16

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【新型の万能細胞「STAP」】
東京女子医大・大和雅之教授「10年以内に臨床研究」、慶応大・岡野栄之教授「慎重な検証が必要だ」

2014.2.10 14:16 (1/2ページ)
STAP細胞共同研究者の大和雅之東京女子医科大教授=東京都新宿区の同大先端生命医科学研究所

STAP細胞共同研究者の大和雅之東京女子医科大教授=東京都新宿区の同大先端生命医科学研究所

 STAP細胞の意義や臨床応用の可能性について、共同研究者である東京女子医科大の大和(やまと)雅之教授(再生医療)、iPS細胞を使った治療を目指す慶応大の岡野栄之(ひでゆき)教授(再生医学)に聞いた。(黒田悠希)

東京女子医科大・大和雅之教授 

 --今回の意義は

 「細胞が刺激によって初期化される機構を持つことの発見で、教科書を大幅に書き換える成果だ。生物の進化の過程で獲得した機能のうち、不必要なものは排除され、必要なプログラムが残っている。刺激による初期化は、生物が生存のため環境に適応するという進化的意味がある」

 --生物学への影響は

 「未解明の生命現象が解決する可能性がある。例えば、がん細胞の根源とされるがん幹細胞は、突然変異とストレス(刺激)の組み合わせでできるのかもしれない。生物学に与えるインパクトや波及効果はiPS細胞より大きい」

 --共同研究を振り返って感じることは

 「刺激で万能細胞が作れるというアイデアは、ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授と私が2010年にそれぞれ独立に思いついたことだが、小保方さんのように一生懸命やる人がチームに加わらなかったら、今回の発見は数年単位で遅れていたと思う」

 --臨床応用の見通しは

 「iPSは腫瘍ができる課題が解消されていないが、STAPはできにくい。検証は必要だが、再生医療にとっての意義は非常に大きく、臨床に向けた研究はかなり速く進むだろう。今後、世界中で再現実験が行われ、ヒトに移植する臨床研究が10年以内に始まるのではないか。iPSなどの研究で得られた蓄積もあり、一日も早く臨床に使えるようになればと思う」

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岡野栄之慶応大教授=東京都新宿区の同大医学部

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