STAP細胞:ネイチャー「近く結論」…論文の取り扱い

毎日新聞 2014年05月09日 10時53分(最終更新 05月09日 13時22分)

 新しい万能細胞とされる「STAP細胞」の論文不正問題で、2本の論文を掲載した英科学誌ネイチャーの広報担当者は9日、毎日新聞の取材に、論文の取り扱いについては「近く結論を出し、措置を講じたい」との見解を明らかにした。

 論文を撤回するか、修正で済ませるかについては「コメントできない」とした一方、一般論と前置きした上で「著者が論文の結論を支える根拠を示せない場合は、同意しない著者がいてもネイチャーが撤回を決める」と説明した。その場合は、撤回に反対した著者の名前を注記するという。

 著者が所属する理化学研究所がSTAP細胞論文に研究不正があったとする調査結果を確定させたことに対しては「慎重に検討を続ける」と、経緯を注視していることをうかがわせた。

 理研は、小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーの不正を認めた調査委員会の結論を受け、著者らに論文の撤回を勧告。撤回には原則として著者全員の同意が必要だが、小保方氏と共著者で米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は撤回に否定的な態度を崩していない。【八田浩輔】

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