上手に悩むとラクになる

前回は、大人のADHDに特徴的なスキーマについてご紹介しました。

今回は、スキーマと深いつながりのある「思考の特徴」についてご紹介いたします。

認知行動療法においては、私たちの気分に影響を与えるという点で「思考」が重要な役割を果たしていることはこれまでも述べてきました。

私たちが感じている「気分」というものは、体験した出来事そのものよりも、むしろ「それをどうとらえるか」によって左右される、というのが認知行動療法の基本的な考え方です。

そこで、まずは自分の思考にどんな傾向があるのかを知り、別の考えができそうにないか、あらゆる角度から再検討しながら思考の幅を広げ、「ものの見方」を柔軟にしていきます。その結果、気分が少しでも軽くなることを目指すのです。

以下に、大人のADHDの方に特徴的な思考の傾向を挙げてみます。

図表


いかがでしたか? ADHDに限らなくても当てはまりそうな「思考のクセ」もありそうです。

誰しも1つか2つはこの「思考のクセ」を持っているといわれています。悲しかったりくやしかったり不安だったりするときには、この思考のクセが原因になっている場合もあるのです。

まずは、自分の思考のクセに気付いておくことが大切です。

思考の具体的な修正の仕方については、また次回へ続きます。


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中島美鈴 (なかしま・みすず)

1978年生まれ、福岡在住の臨床心理士。独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター、東京大学教養学部駒場学生相談所、福岡大学人文学部などを経て現在は育休中。主な著書に「私らしさよ、こんにちは 5日間の新しい集団認知行動療法ワークブック」、「自信がもてないあなたのための8つの認知行動療法レッスン 自尊心を高めるために。ひとりでできるワークブック」(共に星和書店)、共訳書に「もういちど自分らしさに出会うための10日間」、「人間関係の悩み さようなら 素晴らしい対人関係を築くために」(共に星和書店)などがある。趣味はカフェ巡りと創作活動。

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