上手に悩むとラクになる
2014年5月 9日
前回は、大人のADHDに特徴的なスキーマについてご紹介しました。
今回は、スキーマと深いつながりのある「思考の特徴」についてご紹介いたします。
認知行動療法においては、私たちの気分に影響を与えるという点で「思考」が重要な役割を果たしていることはこれまでも述べてきました。
私たちが感じている「気分」というものは、体験した出来事そのものよりも、むしろ「それをどうとらえるか」によって左右される、というのが認知行動療法の基本的な考え方です。
そこで、まずは自分の思考にどんな傾向があるのかを知り、別の考えができそうにないか、あらゆる角度から再検討しながら思考の幅を広げ、「ものの見方」を柔軟にしていきます。その結果、気分が少しでも軽くなることを目指すのです。
以下に、大人のADHDの方に特徴的な思考の傾向を挙げてみます。
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いかがでしたか? ADHDに限らなくても当てはまりそうな「思考のクセ」もありそうです。
誰しも1つか2つはこの「思考のクセ」を持っているといわれています。悲しかったりくやしかったり不安だったりするときには、この思考のクセが原因になっている場合もあるのです。
まずは、自分の思考のクセに気付いておくことが大切です。
思考の具体的な修正の仕方については、また次回へ続きます。
本シリーズを途中からお読みになった方のための
バックナンバーご紹介
- 大人のADHDの特徴とは (はじめてお読みになる方はこちらから)
- なぜ締め切りに間に合わないのか (困りごととADHDの特徴の関連その1)
- 片づけられない歴史をひもといてみると (困りごととADHDの特徴の関連その2)
- 家事が普通にできない (困りごととADHDの特徴の関連その3)
- なぜか人とトラブってしまいます (困りごととADHDの特徴の関連その4)
- どこでつまずいているのでしょうか (対処法を考える際の視点について)
- 約束の日時を忘れない方法 (対処法シリーズその1)
- 書類を無くさない方法 (対処法シリーズその2)
- 大人のADHDのためのto doリストの作り方 (対処法シリーズその3)
- 締め切りギリギリ癖の克服方法・その1 (対処法シリーズその4)
- 締め切りギリギリ癖の克服方法・その2 (対処法シリーズその5)
- 大人のADHDの人が忘れ物をしない工夫 (対処法シリーズその6)
- よくいえば「天然」でも、実際は……ADHDの対人関係 (対処法シリーズその7)
- 大人のADHDの人は自信がない (大人のADHDの特徴)
- うつ病だと思っていたのにADHDだった!? (大人のADHDの二次障害)
- 大人のADHDに特徴的なスキーマ (大人のADHDの対処方略)
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