影法師/百田尚樹の感想・レビュー(561)
二人の少年、片方は出世し愛した女と生き、片方は行方知らずの後に人知れず病死。泣いた赤鬼、レビューを見てある程度予想はしていたのにも関わらず、こんなにも苦しくなるなんて。次男の家での扱い云々ではなく、彦四郎の友のための生き様に言葉を無くす。友に託された願いを叶えるのではなく、その願いを本人が果たせるようにする。家や身分が人生そのものな時代にとってそれを成し遂げるにはどれほどのものか。泣いた赤鬼は死ぬときにこれでよかったと笑えたのだろうか。
百田さん4冊目で時代小説です。彦四郎の生涯はこれで報われたのでしょうか?勘一とみねのために影に徹して支えていく。彦四郎かっこよすぎます。
彦四郎の生き様、なぜそこまで自己犠牲できるか、勘一との一体感なのか。実の親子のような情で結ばれた仲、他人において自己実現という生き方も素晴らしいと感じた。また、明日の死を覚悟して生きる武士の生き様、現代人も心掛けに学ぶところが多い、と我が身を省みる。
武家での嫡男以外の将来、坪・反・町の単位の由来は勉強になった。さすが百田作品!!勘一を陰で支え続ける彦四郎の自己犠牲に感動。彦四郎には、陰のままで人生を終えてほしくなかった。
◎◎2012年発行の大傑作。なぜ、今までこの作品を知らずにいたのか不思議。今回の百田ブームで作者借りして出会うまで。武士の矜持、不可思議な因縁、主人公の成長物語であり、竹馬の友の磊落物語。中盤で、これは泣いた赤鬼の百田版と気付いても、その絡まった糸の正体は最後までわからない。最後の最後になって、解き明かされると、熱い涙がほろりんこん。放送作家だけあって、その台詞回し、場の展開が絶妙。実は「海賊」は史実の狂言回しみたいで、途中で退屈になったのだが、これはいい!傑作。大傑作。永遠に読み継がれて欲しい一冊だな。
とても切ないですが、自分が実現したいことのために徹底した生き方に感動しました。干拓によって領民を潤し政を成就させるという、やりたいことが見つけられなかった時に聞いた親友の夢を、人生を賭して影から支援するまさに影法師ですね。2人でひとつという感じがします。現代であれば、こっちは表舞台で出世してそっちは裏社会で出世してとなりそうですが、時代がそれを許さなかったんだと思います。
百田さん初読み。とても読みやすかったです。 現代では親友の為に自分の命を懸けるという心理や行動は理解しがたいですが、それこそが真の武士の生き様なのかも知れません。 泣かないと決めた勘一が、彦四郎を想って号泣するラストシーンが好きです。
「永遠の0」と時代が違うだけで構成は似てる。でも男の絆と軽々しく言葉では表せないものが彦四朗と勘一の間にはあるんだなと思った。彦四朗のように自分を犠牲にしてまでまで友のために尽くすことはできない。
現代にあって、この物語の登場人物らの行動原理は信じがたいかも知れない。が、どんなに荒唐無稽であっても物語が多くの人に読まれ更に私の心をふるわせてくれているということは、この世界観や倫理観を実は切実に欲しているからなのだろう。皆、できることならば打算もなく真っ正直に過ごしたいのだ。日々の仕事や生活上では、たびたび脇道に逸れたり詭弁を弄したり偽証をしたり。またそのたびに自己嫌悪に苛まれて思い直したりの連続だ。実際には、常に死を意識せざるをえない封建時代故に可能な生き様だったのではなかろうか。
親友のための影法師だとしたら 嘘くさいけど 愛する女のためとすれば合点がいくかな 武士にしても百姓にしても 生きにくい時代だったのだなあと過去の時代に生きたすべての人が 現代を生きる人の影法師なのかもしれない
いくら優秀であっても世間から必要とされる人でなければ意味がない。自分が見込んだ人のために陰になり日向になって行動する、たとえ誰にも認められなくても信念は貫き通す。だが結末が哀れなのが残念としか言いようがないです。
影法師の題名の意味について後半になって解き明かされる。刎頸の契りを結んだ2人を中心に物語は進んで行く。そしてある事件から二人の運命は大きく変化してして行く。江戸時代の封建社会における武士の生き方についての物語である。彦四郎のような生き方が出来る人はいるのであろうか。友の類まれな資質を生かす、まさに驚嘆すべき生き方であった。
彦四郎は勘一のためお互い心惹かれてたみねを諦め、ワザと不法なことをして落ちぶれた立場に置きながら貫一の命が危ないような時は必ず守った。彼の人生は勘一のために捧げたようなもの。無二の親友だったし国に必要な人だったと思えたからそこまで自分を投げ出したのか。思えば泳ぎの練習の時溺れかけた彼を泳げない勘一は顧みずに川に飛び込んだ。その時から彦四郎はこの男にできる限りのことをしようと固く心に決めたのかも。 でもみねの気持ちを考えるといちばん求めてたのは貫一ではなく彦四郎だっただろうに。彦四郎もみねを好きだったのに。
(312冊目)この作品もやはり期待を裏切らない良作であった!後半辺りから、タイトル《影法師》に隠された真実にグッと胸を掴まれて、非常に切なくなってしまいました。我が人生をかけて竹馬之友の夢・背中を押し続けた彼は、あの丘からどのような思いで眺めたのだろうか…そして、遠くから「武士の子が泣くものではない」と云ってるだろうか…
時代背景は江戸時代なんだけど、それを感じかせないほどスラスラと読めた。人は誰かに支えられながら生きている。影であった彼もきっと支えられていたのだろう。百田さんの小説は最後、泣きたくなるほどの感動がある。2日で読み終えてしまった。
常識を少し変えるためには死を覚悟したければ、自分の死だけではなく家族までその累が及ぶ時代。彦四郎は何を思っていたのか、親友を助けることもそうだが、彼女のために影になったのではないかと思った。
図書館で借りれた。タイトルから分かりやすい本題は後半チョロットで回想が淡々と多い330Pなのに、どんどん読み進めて一夜で読んでしまいました。読みやすいが「永遠の0」とは違って印象は薄いかも。伏線もそこまで絡まない。
何も語らず行動で示し、そのまま人生を終える。そこがよかった。 こういう男の生き方もあるんだなと感じた。 彦四朗は江戸でも、勘一の周辺に気を配っていたに違いない。そして勘一の地位が盤石になった時、自分の人生の死期も悟り、国に帰って来たのだろう。そして真実を知った時の勘一の無念さ、察するにあまりある。探そうと思えば探せたはず。 きっと誰でも、影で支えてくれる人がいるはずだ。人は一人では、生きられないものだから。
初めての百田尚樹。 現在と回想を行き来する構成で飽きない。 主人公の友の謎が傍らにありながら話が進むので引き込まれてどんどん読んでしまった。 とてもいい作品だった。
大好きな百田さんの作品なのに、最後まで読み通せなかった。なんだか、怖くて怖くて。成田庫之介が「しっかりと見ておけ」と言ってたけど、しっかり見ること出来ませんでした。つくづく弱虫ですね。
また、修行して出直します。
命をかけないと守りたいものも守れない。そういう時代には、一揆を起こした万作や、町奉行の成田、そして彦四郎のような男たちがたくさんいたのだろう。そういう人たちがいたおかげで、歴史が少しずつ変わっていって今の日本があるのだなぁ。彦四郎の生き様が見えてきたとき、涙があふれた。
家格が低いが故に幼い頃に父を非業の死で無くした困窮の主人公が、家格も高く才能も豊かな友人や様々な人との関わり合いで、封建社会の理不尽とも思える様々な諸問題を克服していく成長物語であった。しかし、その成功の裏に、影法師とも言える友人の余りにも自己犠牲的な愛情・友情には、一種の宗教家的な高尚さで多少戸惑いもあったが、文末の主人公の泣き叫ぶ描写は、涙なくして読めない物語でした。
非常に感動的な歴史小説でした。
武士社会の下士と中士が刎頸の契りを結び国のために働いていく。
このような関係が感動を生んでいく。
読んでいて引き込まれる。
とても素晴らしい小説でした。ツッコミ所や文章がやや時代小説にそぐわないなどはありますが、それを差し引いても十分に素晴らしい。磯貝彦四郎と彰蔵の友情はもちろん、武士達の置かれた境遇の理不尽さなども伏線になっていて読みやすい。田畑開墾の実情などを描いた藤沢周平の「風の果て」などを作者も意識していると思われます。爽やかで切なすぎる読後感は今年一番でした。他の小説も読みたくなりました。
武士の生き様・覚悟を描きたかったんだろうな。そういう意味ではまずまず。文庫のおまけは余計だった。こうもっていくにはちょっと伏線が足らない気がする。
初百田さん。下士の主人公と中士の次男の身分は低いが優秀な武士の話。 最後に明らかとなる人生をかけて友を助けていた彦四郎の生様はすごかった。勘一と彦四郎二人が助け合い、共に成功する道はなかったのか・・・。物語の中とはいえ、切ないなぁ。
4⃣一気に読み進んでしまった。百田さんの評価が高い理由がわかった。滅多に読まない時代小説。命がけで地位と家族を守ること、武士、サムライの生き様をみた気がする。
Kanae T
yashiti76さん niceありがとうございました。私もあまりに売れてる百田さんの御本ちょっと敬遠してたのですが 読んで売れる訳がわかった気がしました。時代小説なかなか読むことないのですが 過去の日本の男の人の生き様を素敵だって思えたし 大げさやけどこの国のこの民族に生まれた事を誇りをもって生きていこうって思えました、
yashiti76さん niceありがとうございました。私もあまりに売れてる百田さんの御本ちょっと敬遠してたのですが 読んで売れる訳がわかった気がしました。時代小説なかなか読むことないのですが 過去の日本の男の人の生き様を素敵だって思えたし 大げさやけどこの国のこの民族に生まれた事を誇りをもって生きていこうって思えました、
ナイス!
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08/12 19:38
「死地に身を置かない剣」と言われた彦四郎は実は・・・どんな思いでいたのか、勘一が知ることはないのが悲しい。新田を見つめていた彦四郎が報われたと感じていたと思いたい。これほどの覚悟を持って人生を生きるということが今あるだろうかと思う。命がけで守るということを考えさせられた。
対照的な言葉。「磯貝のは死地に身を置かない剣だ。我が身を安全な場に置き相手を斬る。臆病なところがあるのかもしれぬ」/「剣とは刀全体で切るのがよいと言われるが、あれは嘘だ。本当の達人は切っ先だけを使う」 勘一も無私の人で、国のため民のため新田開発に精魂傾けた立派な人だとは思うが、全てがうまく行き過ぎて、ちょっと興ざめ。もちろん彦四郎の存在があればこそなのだが… 気づけよ勘一! 彦四郎が不始末を犯し逐電するような男ではないことを、あんたが一番よく知っているだろうに(怒) その一点でラスト 私は泣けませんでした
最後まで読んで、どうしてこのタイトルなのか納得した。 彦四郎、勘一のためにそこまでする?と思ったが、勘一の為だけでなくみねへの想いもあったのかな。 「永遠の0」の様に、かっこいい男性が出てくる作品だった。
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