影法師/百田尚樹の感想・レビュー(561)
「永遠のゼロ」「海賊と呼ばれた男」に引き続いて、百田さん三冊目。改めて実感。この人は間違いない(笑)!今回の舞台は江戸時代の小藩、茅島藩。「刎頸の契り」を交わした中士出身の磯貝彦四郎と下士出身の名倉彰蔵。国筆頭家老となった彰三の回顧という形で始まる物語の展開は…。 最後には涙すること必須の、展開・結末ともに素晴らしい作品でした。
これは自分の人生、命をかけて友を生かそうとした一人の男の物語だと思う。その生き様は光ではなくて影として語られる。勘一が真実を知ったのは彦四郎が死んだ後だった。少しずつ明かされる真実にどんどん引き込まれ、最後の勘一の姿に私も泣いてしまった。彦四郎があまりにもカッコよすぎという思いもあるけれどこんな感動がもらえるのはやっぱり読書の醍醐味だと思う。百田さんすごい。私は図書館で借りたので単行本を読んだのですが、文庫にはなにやらもう一つの真実がついているらしい。こちらも気になります。
序盤はぐいぐい引き込まれて読み進めていったが、主人公が余り苦労せずに思い通りの人生を過ごしていくので物足りなかった。また、彦三郎の気持ちが最後までつかめず残念だった。この作家の小説は、題材はとても良いのだけれど、最後のおちがいつも陳腐で肩透かしをくってしまう。
人生、志のために生きる。主人公はふたり。日向か日陰、そのどちらに居たとしても人のために生きる、それが生きるなんだ、と思う。この本読んでよかったです。
すごく良かった!!!彦四郎の死の謎から始まり、彦四郎と勘一の出会いからの回想、そして彦四郎の行動の謎がわかるという構成が読みやすくて、苦手な時代ものでもサクサク読めた!彦四郎のように自分の人生を投げ出して友の影法師になれる人がいるのだろうか。彦四郎の生きざまがかっこよすぎて惚れました。久しぶりのフィクションだったけど、楽しめました!!!
国家老となった名倉彰蔵と竹馬の友・磯貝彦四郎の物語。二人は、生涯の契りを誓った仲。 生涯をほとんど影のように生き、人を生かした彦四郎。真相を知って、こちらまで熱い気持ちになりました。「磯貝彦四郎ーあれほどの男はおらぬ。」 文章中の言葉ですが、本当にその通りです。とても良かった!!
殺すための剣と、生かすための剣。その違いも、そのために払う犠牲と覚悟も大きい。子どもの頃に交わした約束というものは、大人になってからのものよりも心の奥深くにしっかりと刻み込まれるものなのだろうか。勘一と彦四郎の幼い生涯の契り。それは互いにとって絆となったのか、しがらみとなったのか。彼らにとってそれがどちらになったのかはラストでわかる。涙が溢れた。読み終わってから『影法師』というタイトルを見直すと、とても切ないものが胸にこみ上げ、もう一度最初からじっくりと読み直したくなる。素晴らしい一冊でした。
時代劇とは。この人は一作、一作驚かされる。確かに勘一は余人をもって代えがたい人物なのだが・・・。それて゜も彦四郎の自己犠牲は理解を超えている。
とても良い本。ただ彦四郎が…。いくら友達の為とはいえ、彦四郎が幸せになる事も勘一の希望に繋がったのではないか!?いろんな思いで胸か熱くなった。無駄な表現が無く、テンポ良く話が進んでいくので読みやすく一気読み。楽しく読めた。
百田さんの文章はいっさいの無駄がなく実に簡潔に淡々と物語が進んでいきます。それだけに目を離す事ができず一気に読了。永遠の0にも描かれていた男の美学がまたここにも・・・。本当にすばらしい小説でした。感謝。
残り頁が薄くなるまで、彦四郎の辿った道が分からずハラハラしたが、やはりあの男は超一流だったのだ。剣の腕も人格・才能も抜群で出世の道も拓かれていたのに、友の夢の為に自分の全てを投げ捨てた男。そんな男に見込まれた勘一もやはり超一流。けれど悔やんでも取り返しのつかない歳月に号泣するのです。あれ!?これは泣いた赤鬼の話みたいじゃないですか!?(笑)
例え、自分が「臆病者」と言う汚名を受けても、命をかけて誰かを守ることが出来るだろうか?尊敬していて憧れの対象だった仲間は決して「臆病者」ではなく知らないところでずっと自分を命を懸けて守ってくれていたのだと知った時、タイトルの『影法師』の意味が分かってハッとしました。武士としては格好良い生き方なのかもしれないけど、彦四朗も幸せな人生を歩んでほしかったと思いました。
時代小説は読んだことなかったけど、時代背景をわかりやすく説明されていて、とても読みやすいし面白かったです。友人であった彦四郎の顛末を知るとタイトルである『影法師』がすごく印象に残ってしまう。友であった勘一(彰蔵)の夢を影から支えていた彦四郎に感涙。彦四郎、君もまことの侍だよ……。本当に読んで良かった。
「永遠の0」の宮部にも通ずる彦四郎の武士として人としての美学を、大きな夢を持った勘一の光る生涯を投影した影法師として描いた物語。読了後は二人の生涯に感嘆の拍手を送りたくなる思いでした。舞台は江戸時代の小藩でしたが、時代小説という感覚よりも百田さんの小説として読んだように思います(当たり前か?)相変わらず百田さんの描く男は男前すぎます。
下級武士でありながら筆頭家老にまで登りつめ、干潟の干拓事業で藩に貢献した一人の武士の物語であるのだが、最後まで読むと実は友として彼を陰から支えた不遇の天才の物語だとわかる。影法師というタイトルが最後にずしりと来る。いいお話なんだけど、彦四郎の生涯を思うと切なすぎる。もっと違う形で勘一を支えることはできなかったのかなぁ。
最後こういう結末になるとは!永遠のゼロに続く百田ワールド全開といった感じです。読み終わってみると、途中の途中で結末を驚きに変えるよう、思考を結末とは違う方向に誘導されたんだなと気付きました。やられたー!この内容は、勘一が主人公のような構成ですが、実際は彦四郎が主人公のような印象に。究極の友情の美談ですね。実際に人はここまで自分を棄てられるものなのか、凡人の私には分かりません。。。
読んでいる最中、題名の意味を考えていたけれど、読み終わってわかった。勘一は、彦四郎が命を賭けて護るに値する人間だったと、強く思う。自分が彦四郎なら、そうするだろうなぁ。「人の世とは、つくづく皮肉なものだと思う。才はそれを必要とする者や欲する者に与えられるとは限らない。むしろ、そんなものなど望まない者に与えられることがしばしばだ」でも、少なくとも彦四郎は勘一を護るために力を必要としたし、「勘一を護る」ということを成し遂げたと思う。
時代小説をこれほどまでに夢中になって読み遂げたのは初めてだった。その時代は、武士も百姓も命懸けで生きていた。分かってはいても胸が熱くなり涙が溢れてくる。百田さんの描く男達は何故こんなにも格好が良いのだろう?格好が良いなどという陳腐な表現が恥ずかしいくらい日本には確かに侍がいて、今もきっと日本男児に受け継がれてるんだと信じたくなる。やばいな、この作品は今年度読んだ中で1番かもしれない。
彦四郎カッコイイ〜な〜。読み終わってとても清々しい気持ちになった。彦四郎の一生は荒んだ浪人生活で終わったのではなく、勘一に一生を捧げ遂げられ清々しい気持ちで一生を終えられたはずだと。こういう人はきっと現世にもいるだろう。人は見た目じゃない。あのみすぼらしいあの人は実は…かも知れない。人は見た目じゃない。
さすが、百田さん読みやすいです。あまり、時代小説は名前が複雑で誰が誰だかという感じなのですが、楽しめました。少年時代に竹馬の友となった、二人の少年。二人はどこでそれぞれの大きな分岐点へと踏み込んでしまったのだろう。自分より何もかも腕が良かった友は、ある日死んでしまっていた。何故、死んだのか。どうして、その時自分は何も出来なかったのか。その思いを胸に勘一は、友の死の真相を探っていく。まさに『武士道』というような本でした。タイトルの『影法師』、その意味がわかったとき、切なくなりました。もう一回再読してみよう。
文那
ジキル・ハイドさん、美しき道内会話。ありがとうございます。おしゃべりメガネさんが優しいから、美しいのですよ。頑張ります。きっと、高校受験が大切だと思います。浪人も出来ないですし。
ジキル・ハイドさん、美しき道内会話。ありがとうございます。おしゃべりメガネさんが優しいから、美しいのですよ。頑張ります。きっと、高校受験が大切だと思います。浪人も出来ないですし。
ナイス!
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11/10 11:59
時代小説を初めて読んだ。武士の一生。その人生には、いつでも友がいた。しかし、その友は。。。読み終わった後、感動とショックを同時に感じた。「時代小説でなければ書けない男たちがいる」と帯に書いてあったことに納得。
百田さん×時代小説 ってちょっとわくわくしながら読みました♪ 誰かのために何かのために自分をなげうつ男たち。読者を感動させる百田さんチックな構成は、時代小説においても健在でした♪ 良かったです^^
時代物はあまり読まないが、だんなさんが是非にと言うもんで(笑) で、結果・・・、面白かったです(*^_^*)時代劇特有の難しい言い回しなどもなく、時代物が苦手な人も大丈夫。いや、ストーリーが気になって読むのをやめられないかも。見事なエンタメ作品です。 頭脳明晰、剣の達人でありながら逐電し、人知れず病死した彦四郎。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一。刎頸の契りを交わした2人の数奇な運命に哀しみで胸がいっぱいになりました。読み終えたあと、タイトルの「影法師」に一層切なさを感じました。
☆3つ。時代小説にしては読みやすい。彦四郎がなんでそこまで自分を捨てなければならなかったのかが、よくわからなかった。彦四郎は次男坊である以外、すべてにおいて勘一に勝っているにもかかわらず、自己主張がなくキャラが掴みづらかった。人生を初めからあきらめているように見えた。勘一のため(あるいはみねのため?)に、影になることが生きる意義だったのか。そんな人が現実いるのかな・・・。
主人公である勘一の父は、同じ藩に仕える上士により無礼打ちで斬殺される。その時に出会って「まことの武士の子が泣くな」と窘めてくれた少年と藩校で再開し、刎頸の契りを交わす。ところが、異例の出世をする勘一とは裏腹に、彦四郎は不始末を起こして藩を逐電し、やがて行方知れずとなる。話は彦四郎が2年前に死んでいたと報告を受ける後日譚から始まるが、彼はそれまで何をしていたのか、なぜ堕ちていったのか。最後に明かされる驚愕の事実、己の命を懸けた武士の友情に胸が苦しくなる時代小説の傑作。
百田さんの時代劇。百田さんの登場人物って、こうやって読んでいくと、みんな一途で純粋なんだなぁと思う。好きだなあ、こういう人たちって。
最後まで読んで、勘一の話ではなく彦四郎の話を読んでいたことに気づき不思議な感覚に陥った。切ないようだけど、すべては彦四郎の思惑通りの結果なのだからハッピーエンドなんだろう・・・なんかモヤモヤするけど。
想像を超えた、武士の友情の物語。共に見た百姓一揆の顛末の帰りに、刎頸の友の誓いを交わす勘一と彦四郎。藩校でも道場でも共に切磋琢磨していたのが、出仕した後ある時から片や出世し片や堕ちてゆくのだが…。武士の家格や身分のことが話のポイントでもあり、今までの謎がわかりやすく解決できた。と共に、身分に縛られ生きづらい武士たちのもどかしさや理不尽さもようやく実感。下士でも藩のために野望を持ち、あきらめない勘一は凄い。しかし、彦四郎の生き様にこそ心が震えた。
読了後、いろいろな感情がわーって溢れて、ずっと涙がとまらなかった。うまく言葉に出来ないけど友情とかそんな言葉で片付けられない勘一と彦四郎の繋がりの強さに、だからこそやるせない結末に胸が苦しくて仕方がなかった。泳げないのに自分を助けようと川に飛び込んだ勘一を見た時に彦四郎は自分の人生を彼に捧げる決意をしたのかな。もう一人、万作の生き方にも強く胸を打たれた。村の皆を救うために自分だけでなく家族の命も犠牲にする。どれくらいの覚悟が必要なんだろう。どんな気持ちだったのだろう。いくら考えても分からないんだろうな。
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