仕事をしていると、全然うまくいかないという時期があることでしょう。しかし、うまくいかないからといって、そこで立ち止まっていては先に進めません。そんなときに読んで、糧となるような名言を、戦国乱世を生きた武将の中でも特に名高い二人の残した言葉から見てみたいと思います。
1. 上杉謙信の名言
山形県米沢の上杉家には、かの上杉謙信が残したという家訓があります。全部で16条ある家訓ですが、その中から仕事がうまくいかない時のためになりそうな名言を幾つか紹介します。
心に私なき時は疑うことなし
私心があると、何かを行うときにどちらが自分の得になるか、どうすれば自分が損をしないかという迷いが生じます。しかし、私心がなければ何をなせばいいのかが明確になり、疑いなく事に当たることができるようになるということです。
仕事も同じで、うまくいかないのは私心によって迷いがあるのではないかと客観的に思い返し、まずその仕事が何をしなければいけないかを優先して考えるようにします。
心に誤りなき時は人を畏れず
自分の心に私心なく、正しいことに邁進していれば他人を畏れて立ち止まる必要はありません。自分が正しくその仕事を進めているという確信があれば、上司の顔色を伺う必要もなくなります。仕事がうまくいっていないのなら、まずその仕事の進め方が本当に正しいのかを見直してみるようにしましょう。
心に堪忍ある時は事を調う
堪忍とは忍耐力です。忍耐力をもって事にあたれば、やがてそれがまとまっていくということ。今、仕事がうまくいっていなくても、忍耐力をもって進めていけば、仕事は徐々にあるべき方向にまとまっていくでしょう。
心に曇りなき時は心静かなり
心を曇らせず、迷いなく行えば心は平静でいられます。仕事がうまくいっていないからといって心を波立たせると、あせりが生じて余計うまくいかなくなるという負のスパイラルに落ち込んでしまうでしょう。うまくいかないときこそ、仕事に迷いなく取り組めば、心穏やかに対処することができます。
(※参考記事)
上杉謙信公家訓16ヶ条 - RENACE-KWUKAN.CORPORATION
株式会社ルネス・クウカンは、シンプルで機能的、かつ健康な気持の良い空間創りを目指している一級建築士事務所です。
2. 武田信玄の名言
さて、今度は上杉謙信のライバル武田信玄の名言の中から、仕事がうまくいかないときのためになりそうなものを選びます。
負けまじき軍に負け、
亡ぶまじき家の亡ぶるを、
人みな天命と言う。
それがしに於いては天命とは思はず、
みな仕様の悪しきが故と思うなり。
勝ち戦であったのに負けて滅びる武将はそれが天命だったのだと人は言うけれど、そうではなく、やり方が悪かったのだろうと信玄は言います。仕事がうまくいかないことを何か運命やなにかのせいとしてはいないでしょうか?周囲のせいにする暇があるならば、自分の仕事のやり方が悪くなかったのか見直すべきです。
自分のしたいことより、
嫌なことを先にせよ。
この心構えさえあれば、
道の途中で挫折したり、
身を滅ぼしたりするようなことは
ないはずだ。
嫌なことを先にするというのは、困難に率先して立ち向かっていくということです。そのような心構えがあればこそ、困難に挫けずに前に進めます。今仕事がうまくいっていないのは、難しい仕事を後回しにしているせいではありませんか?もしそうであれば、まずその後回しにしているものから先に対処しましょう。
以上、上杉謙信、武田信玄の名言から仕事がうまくいかない時のマインドセットを紹介してきました。生きるか、死ぬかの戦国時代に生きた武将の言葉には、学ぶべきことがたくさんあると思います。大切なのは、自分の中に絶対にブレない1本の軸を持つことではないでしょうか。