QRコード:欧州発明家賞にノミネート…日本人開発者

毎日新聞 2014年05月09日 10時50分(最終更新 05月09日 13時50分)

デンソーウェーブが試作した原昌宏さんの顔をあしらったQRコード
デンソーウェーブが試作した原昌宏さんの顔をあしらったQRコード

 欧州特許庁は9日、優れた技術者を表彰する欧州発明家賞の今年の非欧州部門に、携帯電話のカメラなどで読み取る正方形型の情報コード「QRコード」を開発した産業機器製造会社「デンソーウェーブ」(愛知県)の技術者、原昌宏さん(56)ら5人がノミネートされたと発表した。

 同賞は2006年創設。日本人は過去に青色発光ダイオード(LED)を開発した中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授らがノミネートされたが、受賞者はいない。今年の非欧州部門には他に2件の候補が挙がっており、6月17日にベルリンで受賞者が発表される。

 原さんらは1994年、従来使われていたバーコードを改良し、大容量で読み取りやすい新たなコードとして「QRコード」を考案、発表した。QRコードは現在、工場の在庫管理や電子チケットなど世界で広く使われ、00年には国際標準化機構(ISO)の国際規格となった。

 原さんは「発表から20年たつが、ここまでの広がりは想像していなかった。ノミネートは光栄。今後は人々を驚かせるような華やかなQRコードをつくりたい」と話している。【千葉紀和】

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