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PyMOL ver 1.6 インストール for Windows

2013年7月時点でのやり方

PyMOLは蛋白質の構造を表示するときに重宝するソフト。
公式ではver. 0.99までしかバイナリ(複雑なインストール作業が要らない)が配布されておりませんが,ソースコード自体はずっと更新されており,ver. 1.6までが公開されております。
他にも表示ソフトはたくさんあり,有名どころで言えば,VMDやChimeraなどがありますが,これらよりも直感的に使いやすく,かつレンダリングや機能も割と豊富なので,私はこれを使っております。

また,MD simulationなどで蛋白質の動きを表示することも実は可能です。少しVMDやChimeraとは勝手が違いますが,Chimeraよりは断然マシです。

そのインストール方法ですが,Windows上で公式のソースコードからのインストールは困難を極めます。
というか,開発者側がそれを想定していないうえ,公式インストールマニュアルでさえも「もうWindowsやCygwinなどでの動作はテストしておりません」って言われます。

ただ,優しい方々がWindows用に非公式バイナリを配布しており,それを使うことによってWindows上での動作が可能になっております。

以下インストールガイド

  1. まずPython 2.7をインストールする必要があります。Pythonはプログラム言語の一つです。
    http://www.python.org/getit/releases/2.7/ からダウンロードが可能です。
    注意点として,お使いのWindowsマシンの仕様にあわせて適切なインストーラーを選ぶ必要があります。
    最近のWindowsマシンで,OSが64ビット対応であるならばWindows X86-64 MSI Installer (2.7)を,32ビットであるならばWindows x86 MSI Installer (2.7) からダウンロードします。
    お使いのマシンが32/64ビットを確かめる方法は,コントロールパネルのシステムを見ることで,システムの情報で
    システムの種類: 32/64ビット オペレーティング システム
    から確認できます。

  2. ダウンロードしたPython 2.7インストーラーを使ってインストールします。YES連打でよいでしょう。

  3. PyMOL 1.6本体をダウンロードします。
    http://www.lfd.uci.edu/~gohlke/pythonlibs/#pymol
    ここに非公式バイナリが置いてあります。ときどき公式のソースコードにバグが見つかり,微修正が行われると,こちらのバイナリもいつの間にかこっそり更新されています。
    例えば,1.6リリース直後に見つかったselectionマーカーが消えるバグは,10日後にこっそり修正されており,今ではそのバグを見ることもないでしょう。
    例によって32/64ビットOSにあわせ,適切なインストーラーを選びます。32ビットの方はpymol-1.6.0.0.win32-py2.7.‌exeを,64ビットの方はpymol-1.6.0.0.win-amd64-py2.7.‌exeを選びます。

  4. 落としてきたインストーラーを使ってインストールします。
    もし「Pythonが見つかりません!」と途中で言われた場合には,PythonのインストーラーとPyMOLのインストーラー両方について,Windows OSに対して適切なものを選択したかどうか確認してください。

  5. インストールが終わると,C:\Python27\PyMOLにPymolの本体(Pymol.exe)が置かれます。
    PDBファイルを開くときに,常にこの新しいPyMOLを使って開きたい場合は,「ファイルの関連付け」を行います。

  6. 手持ちのPDBファイルの1つを右クリックし,「プログラムから開く」を選択します。
    「ファイルを開くプログラムを選択」の画面になったら,右下の参照ボタンから,先ほどのC:\Python27\PyMOLに移動し,pymol.exeを選びます。また,「この種類のファイルを開くときは,選択したプログラムをいつも使う」にチェックを入れておけば,以降PDBファイルをダブルクリックするだけで,最新のPyMOLを使って開けるようになります。


  7. この非公式バイナリですが,非公式とはいっても違法でもなんでもありません。ソースコードは自由に配布されていて,それをいじったものを使っても特に問題はありません。(最もPyMOL公式は慢性的な資金不足らしくて,常に開発費を求めているそうですが……)

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