地上絵にリャマ17頭 山形大ナスカ研がペルーで新たに確認
南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」の研究を進める山形大人文学部付属ナスカ研究所は8日、ナスカ市の市街地近郊で、ラクダ科のリャマ17頭の地上絵を新たに確認したと発表した。
市街地の北約1キロの丘の斜面に描かれ、約1キロ四方に12頭の群れのほか、1、2頭の絵が点在する。リャマの地上絵は過去にも発見されているが、群れの頭数は最も多く、全長15メートルの最大級の絵もあったという。
いずれも紀元前400〜同200年ごろの制作とみられ、地表の小石を輪郭に沿って面状に取り除く形で描かれている。
研究所副所長の坂井正人教授(文化人類学)は山形市の小白川キャンパスで記者会見し「家畜のリャマが1カ所にこれだけ集中して描かれた例は珍しく、当時の文化的背景を解明する糸口になる」と説明した。
市街地近郊に位置し、周辺で宅地開発なども進んでいるため、保存を急ぐよう、ペルー政府などに働き掛けていく方針という。
地上絵は山形大グループが昨年からことし初めにかけて発見した。8月から詳細な現地調査を予定している。
2014年05月09日金曜日