KTR運行会社 ウィラー社に決定
鉄道運行と施設保有の「上下分離方式」で収益改善を目指す第三セクター、北近畿タンゴ鉄道(KTR、宮津市)は8日、運行会社候補の「最適提案事業者」に、高速路線バス事業のウィラーアライアンス社(東京都)を選んだと正式に発表した。両社は事業改善の実施計画策定、鉄道事業者の免許取得を進め、本年度中の新体制移行を目指す。
KTRは、応募4社の中からウィラー社の安全対策の提案内容を特に高く評価し、選定した。同社の提案では、機械工学や車両制御、心理学の専門家らによる「安全評価外部委員会」を新たに設け、安全管理や人材育成に助言を求める。全車両の運転席にドライブレコーダーを付け、異常事象を日常的に分析する。
KTRは毎年8億円近い経常赤字を出し、京都府や沿線市町の穴埋めで経営を保っている。ウィラー社は、KTRへの新車両導入やダイヤ改正による運行時間短縮、観光車両の活用、丹後地域での体験型観光との連携で収支改善の実現を図るとしている。
高速バスを運行する同社は、インターネット予約が人気で、年間200万人が利用している。関西空港から京都府北部へのバス運行による外国人誘客も検討する。KTRの上田清和社長は記者会見で「ウィラー社の情報発信力を高く評価した。数年以内での黒字化を目指すと聞いており、経営改善と地域貢献に期待する」と話した。ウィラー社は「地域の方々が使いやすく、利便性の高い鉄道を目指す」(広報部)とコメントした。
【 2014年05月08日 23時45分 】