ナイジェリア女生徒拉致:英仏も救出支援へ 専門家ら派遣
毎日新聞 2014年05月08日 20時16分(最終更新 05月09日 00時09分)
【ロンドン小倉孝保、ヨハネスブルク服部正法、パリ宮川裕章】西アフリカのナイジェリアでイスラム過激派武装集団ボコ・ハラムが200人以上の女子生徒を拉致した事件で、女子生徒救出のため国際的な支援の輪が広がっている。捜査チームの派遣を表明している米国に続き、英国、フランスもナイジェリア政府への支援の意向を明らかにした。
英国のキャメロン首相は7日、議会で拉致について、「悪魔の行為」と厳しく批判。ナイジェリアの治安部隊による救出作戦を支援するため専門家グループを派遣すると発表した。このグループは防衛、外務、国際開発などから構成され、英国軍幹部が含まれる可能性もある。直接、女子生徒らの救出作戦には携わらず、作戦の計画立案、アドバイスなどを担う。
周辺国のマリや中央アフリカに軍事介入しているフランスのファビウス外相は7日、国民議会(下院)で「女子生徒を発見、救出するため、現地周辺の仏軍戦力も利用し、ナイジェリアに特殊部隊を展開する準備が整っている」と述べた。
一方、ナイジェリア警察は7日、女子生徒たちの救出につながる情報の提供者に対し、5000万ナイラ(約3100万円)の報奨金を出すと発表した。
ナイジェリア北東部ボルノ州を拠点にテロ攻撃を繰り返すイスラム過激派ボコ・ハラムは同州チボクで先月14日深夜から15日未明にかけ、女子高に侵入し、宿泊施設にいた女子生徒200人以上を拉致。ボコ・ハラムは今月5日に犯行を認め、女子生徒を奴隷として売ると表明した。
AP通信によると、カメルーンとの国境に位置するボルノ州ガンボル・ヌガラで5日、ボコ・ハラムとみられる武装集団が市場を襲撃、銃を乱射するなどして300人程度の死者が出た。