3D(3次元)プリンターで自作した銃2丁を所持していたとして、神奈川、兵庫の両県警は8日、湘南工科大職員の居村(いむら)佳知容疑者(27)=川崎市高津区=を銃刀法違反の疑いで逮捕し、発表した。居村容疑者は「警察が銃と認めたのであれば仕方がない」などと話し、容疑を認めているという。

 神奈川県警の説明では、3Dプリンター製の銃の摘発は全国で初めて。

 発表によると、居村容疑者の逮捕容疑は4月12日、プラスチック製の銃(長さ21・7センチ)2丁を自宅で所持していたというもの。県警が同日、容疑者宅を捜索し、5丁の銃を押収。このうち、2丁に殺傷能力があると鑑定された。それぞれに実弾を入れて発射すると、厚さ2・5ミリのベニヤ板11~15枚を貫通したという。

 居村容疑者は、自作した銃を撃つ様子や設計図をインターネットの動画サイトに投稿。「銃を持つ権利は基本的人権だ」などと書き込んでいた。県警は1月、この動画を見つけ、捜査を進めていたという。

 容疑者宅からは弾丸は見つからなかったが、3Dプリンターや銃の設計図が保存されたパソコンが押収されており、県警は武器等製造法違反の疑いでも調べる。