自民党の野田聖子総務会長は月刊誌「世界」(岩波書店)6月号のインタビューで、安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認について「安全保障も少子化とリンクしてくる。本当に安全保障を考えるなら、50年もつものを考えなければならない」と述べ、日本の現実に即した議論が出来ていないと批判した。

 野田氏はインタビューで「日本は急速に少子化が進んでいる。自衛隊は基本的に若い男性で構成されているが、安全保障政策でリスクを取ろうとしても、担い手がいなくなろうとしている」と強調。「ところが、国防の専門家はそのことを別次元で考えている」と問題点を指摘した。

 また、野田氏は「限定容認論」について「具体的に何であるのかよくわからない」としたうえで、「軍事的な役割を果たすことと引き換えに何がもたらされるのか、首相はもっと提示すべきだ」と注文を付けた。

 さらに「限定容認論だけでなく、人を殺す、人が殺されるかもしれないというリアリズムを語るべきだ」と訴えている。(上地一姫)