神奈川県のニュース
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押収された銃 殺傷能力は5倍
3Dプリンターで作ったとみられる、殺傷能力のある拳銃を所持していたとして、川崎市の大学職員の27歳の男が逮捕された事件で、男が所持していた拳銃は殺傷能力を判断する基準の5倍の威力があることがわかり、警察は銃の詳しい構造を調べています。
この事件で、逮捕された川崎市高津区に住む湘南工科大学の職員、居村佳知容疑者(27)は、4月、自宅の部屋に樹脂でできた拳銃2丁を隠し持っていたとして、銃刀法違反の疑いがもたれています。
居村容疑者は、インターネットの動画投稿サイトに、3Dプリンターを使って製造したとみられる拳銃を撮影した動画を投稿していたということです。
このため警察が4月、自宅を捜索した結果、樹脂でできた拳銃のようなもの5丁を押収し、このうち2丁は鑑定の結果、殺傷能力があることが確認されたということです。
実弾は見つかっていないということです。
調べに対し居村容疑者は容疑を認め「拳銃は自宅の3Dプリンターを使って自分で作った。違法とは思わなかった」と供述しているということです。
警察のその後の調べで、2丁の拳銃は、厚さ2.5ミリのベニヤ板をそれぞれ11枚と15枚重ねても実弾を貫通させることができ、殺傷能力があると判断する基準の5倍の威力があることが分かりました。
また居村容疑者の自宅から押収された3Dプリンターは、価格が10万円以下の外国製の組み立て式のものとみられ、容疑者のパソコンにインターネットを通じて入手したとみられる、拳銃の設計図のデータが保存されていました。
警察はこのデータを元に3Dプリンターを使って拳銃を製造したとみて、銃の詳しい構造を調べています。
3Dプリンターを使って製造したとみられる拳銃が押収されたのは、全国でも初めてだということです。
警察によりますと、居村容疑者がインターネットに投稿したとみられる動画には、容疑者が屋外で拳銃のようなものを撃っている様子が写っています。
この拳銃のようなものは、今回、殺傷能力があると鑑定された2丁とは別の回転式のもので、撃っているのは弾丸のない空砲とみられます。
また警察によりますと、居村容疑者は、ことし1月から2月にかけて、インターネットの短文投稿サイトの「ツイッター」に、銃の製造や所持を正当化する書き込みをたびたび行っていたとみられるということです。
その中で居村容疑者は「私は日本で初めて3Dプリンター製のけん銃を作った張本人。このことを誇りに思う。銃規制は人権の侵害、それに立ち向かい銃刀法を無効化する手段をまっさきに行い、誰でも銃を手に出来る事を社会へ証明した」などと主張していたということです。
神奈川県藤沢市にある湘南工科大学によりますと、居村容疑者は4月1日から契約職員として勤め始め、主に技術系の授業の補助を担当していたということです。
大学はホームページで「逮捕容疑の内容が事実であれば誠に遺憾です。今後厳正に対応していきたい。
本学の3Dプリンターは厳重に管理されており、逮捕された職員が本学の3Dプリンターを使用した事実はありません」などとコメントしています。
居村容疑者の父親は、8日自宅で玄関のインターフォンを通じて報道各社の取材に応じ、容疑者が拳銃を作り始めたきっかけについて「インターネットで、アメリカの誰かがプラスチックで作って、1発、実弾撃てるというのを見て、僕は6発も撃てるということで作ったのがはじめだと思う」と話しました。
また、3Dプリンターを入手したいきさつについては「何か月か前に、インターネットを通じてアメリカで一番安いものを買ったようだ」と話していました。
05月08日 17時42分