浮世絵感の無い日本のポップミュージック

※何が書きたいのかよくわからない記事
Music for 18 Musicians



2010年代のJ-POPのテンポが「高速化」してるという話 - 日々の音色とことば:

だいぶ前の記事だけれど、最近のJ-POP/ロックなどの曲のBPMは加速しているそうです。んで、ボーカロイドやアイドルの曲もBPMが200超えの曲なんてのもざらにある。まあ、当然全てのアーティストがそういう曲ばかりやっているわけではないんだけれど、これは傾向としてそんなに間違ってはいないと思う。

個人的にここ最近、日本のロックやボーカロイドとかに対してイマイチしっくりこないなーというか、座りが悪いなあ、と感じるのはここらへんが原因かも、と思う。いや、BPMが速い曲も大好きなんですよ。メタルもパンクもグラインドコアも聴くし。なんというか、柴氏が言うような「浮世絵的な進化を遂げた」楽曲というんでしょうか。BPMが速くて、且つ情報量も多い、という感じの曲。そういうのが苦手というか何というか。単純に歳くっただけかもしれないけれど。まあ、そういう浮世絵感のある曲にも好きなのはあったりするんですけどね。パスピエとかもそんな感じかなあ。

洋楽コンプレックスから解き放たれた00年代のJ-POPは、いわば「浮世絵的な進化」を遂げた。それが、音楽の持つ手数の多さ、細密さ、カラフルさに表れている。それが僕の見ている今のJ-POPを巡る状況だ。

浮世絵化するJ-POPとボーカロイド 〜でんぱ組.inc、じん(自然の敵P)、sasakure.UK、トーマから見る「音楽の手数」論 - 日々の音色とことば:


俺に洋楽コンプレックスがあるかどうかと言われれば、無いとは言い切れないんです。情報量の多い曲もそれなりには聴くけれど、好みとしてはシンプルな楽曲の方に軍配があがる。そういうのを好んでいるのも、まだコンプレックスから解き放たれていないからかもしれないけれど。傾向とか時流で浮世絵的な楽曲が増えるのもそれはそれで仕方のないことだとは思うのだけれど、もっとシンプルでいい曲も見つけられたらいいなあ、と思っている今日このごろ。



俺がそもそも、そういうシンプル志向、ミニマル志向=浮世絵感が無いものを好むようになったのはなぜなのか?って考えた時にパッと出たのは54-71

上に貼った"life"は比較的情報量多めだけれど、"ceiling"などはかなりミニマルで、無駄をそぎ落としまくっていてめちゃくちゃカッコイイ。

無駄をそぎ落としまくって、という点ではゆらゆら帝国のラストアルバムでもあり、大傑作でもある『空洞です』もそんな感じ。

同じく、ゆらゆら帝国に”無い!”という曲があるんだけれど、こちらもかなりのミニマル/シンプル志向。延々と同じフレーズが繰り返されて、徐々に盛り上がっていく曲なんだけれど、聴いていてめちゃくちゃ気持ちいいし、中毒性が半端じゃない。個人的にゆらゆら帝国のベストソングはコレ。

ちなみに、"無い!”の元ネタというかインスパイア元は十中八九コレだと思う。クラウトロックのアンセム(?)、Neu!の" hallogallo"。ビックリマークも付いているしね。これも聴いていて気持ちいいっす。



ヒップホップでもトラックはミニマルな方が好き。QNがいた頃のSIMI LABのトラックはかなりシンプルでミニマルだと思うんですけどどうですかね?QNはソロアルバムでもOMSBのトラックよりもシンプルだと思います。そんなわけで、SIMI LABの2ndはだいぶ情報量が多くなった気がする。


最後に。コレはもはやポップミュージックという範疇からは超えているのかもしれないけれど、オルガン/トランペットのトリオ、POPO。ちょっとロックステディな感じはあるかな?激しくシンプル過ぎて最高。以前、ECDともコラボしていましたがそちらも良い。下の動画は件のECDとコラボしたライブの様子。POPO自体はYoutubeにアップロードされてなかったので頑張って探して。



浮世絵感の無いポップミュージックなんて掃いて捨てるほどあるわけなので、今回はなるべくミニマル寄りで。



★★★



ところで、最近の時流である情報量も多く、BPMも速い「浮世絵感」ですけれど、源流はどこにあったんだろうか?俺はやっぱりNUMBER GIRLだと思うんですね。J-POPやボーカロイドに関してはイマイチ知識が足りないのでなんとも言えないところがあるんだけれど、最近の「浮世絵感」を持った若手バンドについては、NUMBER GIRLの情報量の多さ、BPMの速さという点をよりエスカレートさせているような若手バンドが多い気がします。まあ、気がするだけなんすけどねー。当の向井氏はすっかりミニマム志向ですが。