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政治
日本版NSC その時、官邸は… シミュレーション
2013.6.8 07:17
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「ただちに緊急事態大臣会合を招集する」。米政府の方針を聞いた首相は命じた。国内での被害も想定し厚生労働相らも参加する会合だ。首相はミサイル迎撃に向け、自衛隊への破壊措置命令発出を指示した。
だが数時間後、事態は急転する。北朝鮮の朝鮮中央通信がこう伝えたのだ。
「東京に無慈悲な鉄槌(てっつい)を下し、火の海にする」
首相はNSCで最も重い決断を下す9大臣会合で告げた。「わが国への明白な危険が切迫している。武力攻撃事態と認定する」
その頃、衛星がミサイル発射基地の衝撃的な場面を撮影していた。「銃撃戦じゃないか!」。画像分析官は思わず声を張り上げた。
「一体、あの国では何が起きているんだ」
報告を受け、天を仰いだ首相のもとに安保局長が駆け寄ってきた。
「米NSCは軍部のクーデターだと。分析担当者が1カ月前にまとめたリポートも先ほど届きました」
NSCと安保局への「情報集約」だけでは十分とはいえず、政府全体の「情報分析能力」でも本家との差を埋める必要がある-。首相はその意を強くした。(半沢尚久、峯匡孝)
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