除草:お掃除ヤギ、貸し出し中 三重の牧場

毎日新聞 2014年05月08日 17時04分(最終更新 05月08日 18時30分)

除草の初仕事に活躍している2頭のヤギ=「伊勢・安土桃山文化村」で
除草の初仕事に活躍している2頭のヤギ=「伊勢・安土桃山文化村」で

 三重県伊勢市二見町の牧場「伊勢ヤギふぁ〜む」が今月、農地や家庭の庭などを対象に、除草目的のヤギの貸し出しを始めた。ヤギが雑草を餌として食べてくれることで草刈り作業の負担を減らせるほか、人と触れ合えるなどの利点がある。ヤギは地元の観光施設「伊勢・安土桃山文化村」で初仕事を任され、斜面の除草に活躍している。

 同牧場はヤギ約20頭を飼育し、乳を搾ってヨーグルトやチーズなどに加工、販売している。ヤギはこれまでイベントや飼育体験用に貸し出していたが、新たに除草用も加えるようになった。

 山下雅史社長は「二見は自然が豊かだが、耕作放棄などで荒れた土地があり、残念に思っていた。昔ながらの田園風景に戻すことができれば」と話す。

 料金は家庭で1頭5000円から、田畑で同6000円から。面積や期間などの条件次第で変更もある。

 文化村は、駐車場脇の約3000平方メートルの斜面を花畑にしようと計画。従業員では除草が大変なため、これまでイベント用でヤギを借りていた同牧場に依頼した。今月初めから、いずれも1歳の雄「紳助」と雌「波留(はる)」の2頭が、時々「メエー」と鳴きながら、のんびりと役目をこなしている。

 ヤギは迷子にならないようにロープでつながれ、草が無くなれば、移動させてロープをつなぎ直す。塩分を含んだ飲み水も与えている。文化村では、交代させながら1カ月程度続ける予定という。

 文化村の担当者は「施設の利用客にもヤギを見て楽しんでもらえている。頑張ってほしい」と期待している。【新井敦】

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