STAP細胞:理研調査委員長が論文画像ねつ造の根拠説明

毎日新聞 2014年05月08日 16時03分(最終更新 05月08日 19時42分)

 ◇渡部・調査委員長、会見で「詳細に検証した結果」

 理化学研究所は8日、東京都内で記者会見を開き、新たな万能細胞とされる「STAP細胞」論文の不正認定に対する筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーから出されていた不服申し立てを退け、再調査はしないと発表した。理研調査委員長の渡部惇弁護士は記者会見で、「今回の結果報告では不服申し立ての主張に対し、従来の調査内容を織り込みながら詳細に検証した」と述べ、論文中の画像を捏造(ねつぞう)、改ざんと判断した根拠などについて一つずつ説明した。

 この結果、論文に不正があったとする認定が確定し、理研は規定に基づき小保方氏の懲戒手続きに入る。英科学誌ネイチャーに掲載されたSTAP論文2本のうち不正が認定された1本について、撤回を勧告した。

 理研の職員就業規定によると、研究不正が認定されると諭旨退職または懲戒免職とされ、情状によって出勤停止などの処分に軽減できると定められている。懲戒委員会が処分を決め、不服があれば10日以内に再審査請求ができる。共同研究者の笹井芳樹・理研発生・再生科学総合研究センター副センター長らの処分も検討される可能性がある。

 調査委は3月31日、インターネット上などで疑義が出ていた論文の記述や画像の計6件のうち2件について、小保方氏の研究不正を認定。小保方氏は4月8日、再調査を求めて、不服申し立てをしていた。【清水健二】

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