1980年代、いわゆる「新自由主義」が勃興しながら世界的に規制緩和の風が吹いた。70年代の2度のオイルショックを体験して景気低迷とインフレが並存するいわゆる「スタグフレーション(stagflation)」現象が起きながら第2次世界大戦後に始まった「混合経済」体制への批判が起きた。特に政府が各種規制を通じて企業活動を制約し、経済の活力を落としたという主張が力を得ながら、規制緩和が政策の焦点となった。
韓国も例外ではなかった。80年代に全斗煥(チョン・ドファン)政権時から規制緩和が徐々に始まり、特に97年の通貨危機以後「朴正煕(パク・チョンヒ)式」の国家介入主義が危機の原因だという診断が下されて規制緩和が国家的課題と見なされることになった。今、朴槿恵(パク・クネ)政権も規制緩和を通じて経済の活力を生かすと強調している。
このような規制緩和論の底辺にある考えは、企業らが最大限自由を持つ時にこそ最も効率的かつ革新的になれて、逆に企業活動の自由を制約すれば効率性と革新が落ちて経済の害になるという考えだ。もちろんそういう面はある。しかし規制が経済で果たす役割はそんなに単純ではない。
最初に、企業の利潤を切り取ってでも社会的に必要な規制がある。最近のセウォル号惨事を機に浮上している各種の安全基準がその良い例だ。船舶の過剰積載に関する規制、職業運転者の勤務時間に対する規制、火災に備えた非常口など避難施設に対する規制は、企業の負担になってでも必ずすべきことだ。
2番目、規制なしには存在できない市場がある。電子製品や自動車は消費者が使ってみて製品の質を相当部分把握できるが、医薬品のような製品はその安全性や健康に及ぼす影響を消費者が把握することは困難だ。このような市場では政府が製品の質についての規制をして消費者が疑わずに製品を買えるようにしなければ市場自体が存在し難い。
3番目、企業が長期的な視野を持って投資できる環境を作って企業活動を助ける規制も多い。60~80年代、韓国政府は大規模投資が必要な自動車などの産業への参入を規制した。こうした規制のおかげでその産業に投資した企業は一定水準の利潤を確保し、それを再投資していち早く生産規模を増やし、これによって単価を低くして国際競争力を確保することができた。対照的に、台湾は自動車産業に対する進入規制をせずに12、3社の“ドングリの背比べ”的な企業が乱立したことで自動車産業の発展に失敗した。
【コラム】規制を考え直す=韓国(2)
韓国も例外ではなかった。80年代に全斗煥(チョン・ドファン)政権時から規制緩和が徐々に始まり、特に97年の通貨危機以後「朴正煕(パク・チョンヒ)式」の国家介入主義が危機の原因だという診断が下されて規制緩和が国家的課題と見なされることになった。今、朴槿恵(パク・クネ)政権も規制緩和を通じて経済の活力を生かすと強調している。
このような規制緩和論の底辺にある考えは、企業らが最大限自由を持つ時にこそ最も効率的かつ革新的になれて、逆に企業活動の自由を制約すれば効率性と革新が落ちて経済の害になるという考えだ。もちろんそういう面はある。しかし規制が経済で果たす役割はそんなに単純ではない。
最初に、企業の利潤を切り取ってでも社会的に必要な規制がある。最近のセウォル号惨事を機に浮上している各種の安全基準がその良い例だ。船舶の過剰積載に関する規制、職業運転者の勤務時間に対する規制、火災に備えた非常口など避難施設に対する規制は、企業の負担になってでも必ずすべきことだ。
2番目、規制なしには存在できない市場がある。電子製品や自動車は消費者が使ってみて製品の質を相当部分把握できるが、医薬品のような製品はその安全性や健康に及ぼす影響を消費者が把握することは困難だ。このような市場では政府が製品の質についての規制をして消費者が疑わずに製品を買えるようにしなければ市場自体が存在し難い。
3番目、企業が長期的な視野を持って投資できる環境を作って企業活動を助ける規制も多い。60~80年代、韓国政府は大規模投資が必要な自動車などの産業への参入を規制した。こうした規制のおかげでその産業に投資した企業は一定水準の利潤を確保し、それを再投資していち早く生産規模を増やし、これによって単価を低くして国際競争力を確保することができた。対照的に、台湾は自動車産業に対する進入規制をせずに12、3社の“ドングリの背比べ”的な企業が乱立したことで自動車産業の発展に失敗した。
【コラム】規制を考え直す=韓国(2)