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小林、プロ1号「感触残ってないです」今季最多5発「橙魂」ドカーンと締めた

2014年5月8日6時0分  スポーツ報知

 ◆巨人10―2DeNA(7日・東京ドーム)

 巨人が今季最多の5本塁打で空中戦を制し2位浮上。客席がオレンジ色に染まった「橙魂デー」を白星で飾った。5発目は7回に飛び出したドラフト1位ルーキー・小林のプロ1号2ランだ。イケメン捕手は休養をとった阿部の代役でスタメン出場すると、杉内を好リードし攻守に躍動。オレンジ色に染まった東京Dを沸かせた。2回には井端が移籍後初のV打、6回にはアンダーソンが満塁弾と、今季新加入の3人がヒーローに躍り出た。

 打球は、オレンジ色に染まった左中間席に吸い込まれていった。小林は三塁を回ったところで笑みがあふれ出た。「感触は残ってないです。あんまりホームランを打ったことがないので、気持ち的にもよく分からない。でもすごいうれしい」。プロ19打席目で飛び出した記念すべき第1号。チーム今季初となる5発の花火ショーを締めくくった。

 6点リードの7回無死一塁。相手は速球派の三嶋だった。「途中からは、真っすぐ一本に絞ってました」。フルカウントからファウルで4球粘った末の11球目。内角145キロ直球を完璧に捉え、スタンドに運んだ。原監督も「ホームランも素晴らしいけど、ファウルで粘って、あの一発が生まれたと思う。見事だった」と称賛した。

 入団前は巨人のドラフト1位という重圧に押しつぶされそうだった。「ジャイアンツというチームのプライド、自覚を持たないといけない。不安と緊張がすごいありました」。キャンプでは淡々とメニューをこなしていくプロの練習方法に悩んだ。新人では唯一の1軍参加で「自分が一人浮いているんじゃないか」と自問自答する日々。それは開幕1軍に選ばれても変わらず、日本生命時代にバッテリーを組んでいたDeNAのドラ1右腕・柿田に「早くジャイアンツの一員になりたい」ともらしたこともあった。

 それでも哲学だけは曲げなかった。「今でも頭の中は守備100%です」。ベンチに戻ってからも、次の回のリードのことに気持ちが集中してしまい「たまに『小林!』と呼ばれて、慌ててネクストに向かうこともあるんです」。だがネクストに入った瞬間、頭が切り替わる。相手投手を分析し、何を狙うか必ず決めて打席に入る。「結構外れます」と笑うが「振らないじゃダメ。振らなきゃ、何も起こらないですから」。冷静な頭脳と大胆なハート。それが小林の強さだ。

 お立ち台はこの日と同じ「橙魂デー」だった4月18日の中日戦(東京D)で、決勝打を放って以来。巨人は「橙魂デー」で12年から通算16勝4敗と、勝率8割を誇る。質問には謙虚に答えていた小林だが、最後にこう宣言した。「必ず日本一になれるように、頑張っていきたい」。もはや期待のルーキーではない。伝統の巨人軍を背負う、立派な一員だ。(井上 信太郎)

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