米オバマ政権は6日、気候変動の国内への影響をまとめた報告書を公表した。気候変動の影響による干ばつや集中豪雨、海水面の上昇などの被害が広がっており、対策強化を呼びかけた。オバマ氏は、NBCのインタビューで「遠い将来の問題ではない。今、米国人に影響を与えている問題だ」と語った。

 報告書によると、米国では、1980年代以降に巨大ハリケーンが増加。集中豪雨による洪水に見舞われる地域も増えた。海面上昇は今世紀中に最大1・2メートルに達する可能性があり、人口の半数が海面より低い土地に住むルイジアナ州ニューオーリンズなどで特に被害拡大の恐れが高まっている。農産物への悪影響もこの40年間で増加。カリフォルニア州などでは、大規模な森林火災の被害も深刻化している。

 報告書は、2000年に初版が作成され、今回が3回目。科学者300人以上が最新の知見をまとめ、対応策の強化が必要だと指摘した。しかし、米議会は、温暖化対策に慎重な野党共和党などが一定の勢力を占め、オバマ政権は、温暖化対策を2期目の重点課題に掲げるが、火力発電所からの二酸化炭素(CO2)の排出規制などに苦心している。