この記事の目的は一つです。

「この記事を100%理解すれば、グロースハックをマスターできるようにする」

そのために必要な「グロースハックの再定義」、「グロースハックの準備」、「グロースハックの手順」、「付随的なインプット用記事」は全てこの記事内に収めました。

PMF

目次

1.Growth Hack(グロースハック)とはそもそも何なのか

2.Growth Hack(グロースハック)を始めるために必要な準備

3.Growth Hack(グロースハック)の実際のプロセス

4.Growth Hack(グロースハック)をより深く修得するためのカテゴリ毎 記事集


1.グロースハックとはそもそも何なのか

Facebook、Twitter、Dropbox、Airbnb・・・

今では誰もが知るところとなったこれらのサービス。
彼らの成功要因は何でしょうか?

それぞれに固有の要因があるでしょうが、どのサービスにも共通している秘訣が一つあります。

それは、どのサービスもGrowth Hack(グロースハック)を自在に使いこなし、
驚異的な成長率を達成したということ

では、グロースハックとは一体なんなのか?

 

グロースハックを再定義する

一言でいえば、
数値やユーザーの声を分析し、ユーザーの数や質をGrowthさせる仕組みをプロダクトの中に組み込んでしまうこと

イメージしやすいように、Twitterの2つのグロースハックを例に挙げてみましょう。

 
①データを元にユーザーの数をグロース

初期のTwitterでは、登録画面での離脱率が非常に高いことが一つの課題でした。

理由としては、@〜というIDの重複が多発してユーザーが何度もエラーが出てしまっていたからでした。

そこでTwitterのグロースハッカーは、入力された名前を元に自動でIDを入力する仕様を加えました。

その結果、1日の登録数が施策前と比べて6万人増加しました。純増分だけで、です。

 
②データを元にユーザーの質をグロース

Twitterのグロースハッカーがデータを分析した結果、続けるユーザーと、やめるユーザーにはある規則性があることを発見しました。

それは、初日に4人以下しかフォローしなかったユーザーはやめる率が高く、逆に5人以上フォローしたユーザーは高い割合で継続してサービスを使い続けてくれるということでした。

そこで、登録直後のユーザーに対してフォローのレコメンド機能を提供するとともに、5人以上フォローしないと利用開始できないようにしました。

結果、ユーザー継続率を劇的に向上させました。

上記2つの例は典型的なグロースハックです。

データを元にユーザーの登録を増やしたり、1人のユーザーにより多く使ってもらえるようにしたり。

 

グロースハッカーはなぜ今になって必要とされているのか?

ここの部分に関しては様々な見方がありますが、理由はとてもシンプルなものだと考えています。

ベンチャーには、実に様々な痛みがあります。
むしろ、うまく行かないことの方が多い。

そうした中で、唯一、成長、グロースだけがその痛みを癒してくれる

そうして、ベンチャーは昔からグロースを求めてきた訳ですが、
最近になってやっと、グロースだけにフォーカスできる環境が整いました。

昔は黒字化していない事業は論外でしたが、
今ではグロースさえしていればファイナンスでお金が付いてくるようになった。

更に、赤字のままでもグロースさえしていれば、Exitという出口まで用意されるようになった。

そうした中で、グロースだけに振り切る人材、グロースハッカーが必要になってきたのです。


2.グロースハックを始めるために必要な準備

グロースハックには、以下の5つが必要です。

①PMF
②マインドセット
③フレームワーク
④チーム
⑤ツール

この5つの土台がしっかりしていない状態で、いくらグロースハックをしようとしても
ほぼ100%失敗してしまいます。

以下で、この5つを詳しく説明していきます。

 

①PMF

 
PMF
 

PMFとは、「そのプロダクトがなくなると心底困る人がユーザーに占める割合」のこと。

これが40%以上ないと、いくらグロースハックしても無駄です。
 
これが40%を下回っているフェーズでは、グロースハックではなく、
Lean UXなどの手法を用いて、必要に応じてピボットを繰り返しながらPMFを向上していくことになります。

そして、それでもPMFが40%を上回ることが不可能な場合は、いさぎよく撤退する勇気も必要になってきます。

 

②マインドセット

 
PMF
 

グロースハッカーは、以下の3つのマインドセットを持つ必要があります。

 
1.複利で考える

Growthは複利で考えるべきです。

理由はシンプルで、少しの成長率の違いが最終的には大きなユーザー数の差になるからです。

たとえば、あるサービスの合計User数が10万人だったとしましょう。

Weeklyの成長率が2%と3%とでは、週の新規獲得ユーザーが2000人と3000人なので、
一見するとそこまで差はないように思えます。

しかし1年後には、ユーザー数28万人と46万人という全く別次元の結果になっています。

1%の改善を重ねましょう。

 
複利
 

 
2.打席数の最大化

Growth Hackは、100回の施策中、80回失敗してなんぼの世界です。

そこでは、“Fail fast!”、いかに”早く”、”賢く”失敗するかが重要になってきます。

Fail fastするための唯一の方法は、決裁権を持った人間を巻き込むこと。

CEOが明確な指示や、権限を与えないグロースチームはほぼ間違いなく失敗しています。

「そんなの難しいよ!」と思われるかもしれませんが、それができない限り、グロースハックは120%不可能です。

 
3.シンプルであれ

DropboxやTwitter、Airbnbなど、大きなグロースを達成したサービスのハックはとてもシンプルです。

結局、どの世界でも言えることですが、大きなインパクトを出そうと思ったら、シンプルに生み出すのが一番です。

そして、シンプルに考えるための最も簡単な方法は、頭の中にシンプルなフレームワークを持つことです。

 
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③フレームワーク

それでは、フレームワークを一つ紹介します。

最も有名、かつ強力なのはAARRRモデルです。

グロースハッカー最強の武器と言っても過言はないでしょう。

 
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・Acquisition(ユーザー獲得:登録や訪問など)
・Activation(ユーザー活性化:初めての利用でユーザーにプロダクトを面白い!と感じてもらう)
・Retention(継続:ユーザーが繰り返しサービスを使うようにする)
・Referral(紹介:ユーザーがサービスを周りに紹介するようにする)
・Revenue(収益:ユーザーがより多く課金行動を取るようにする)

このAARRRモデルはオンライン/オフライン、BtoC/BtoB問わず、全てのサービスに適応できます。

例えば、ECサイトであれば、

・Acquisition → サイト訪問
・Activation → そのサイトを良いと思ってもらう
・Retention → 何回も訪問してもらう
・Referral → サイト自体、もしくは中のコンテンツをシェアする
・Revenue → 商品を買う

ラーメン屋でも適応できます。

・Acquisition → 初来店
・Activation → 美味しいと思ってもらう
・Retention → 何回も来店してもらう
・Referral → 友達に勧めてもらう
・Revenue → 注文してもらう

では、このフレームワークがなぜ最強かというと、

1.フェーズ毎にフォーカスできるようになるから
2.戦略や戦術を整理・共有できるから

グロースチーム全体として、どのフェーズにフォーカスするべきか明らかになるなど、
このフレームワークのベネフィットは計り知れません。

そして、このフレームワークについてもう少し補足すると、
Retention に最もフォーカスするべきです。

理由はひとつで、ザルの目を細かくするため。

ザルの目が荒く、登録したユーザーがすぐにやめてしまう状態では、どんなに登録を増やしても”意味のあるユーザー数”は増えません。

ザルの目が細かい状態なら、1登録ユーザーあたりのLTVも向上するため、1獲得あたりにかけられるお金も増えるなど、
良いことづくしです。

 

④チーム

 
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グロースハックをするのであれば、
どんなに小さい会社でもグロースチームを持つべきです。
 
チームを構築する際のチェックリストは以下の5つ。

・メンバーがグロースに責任を持つ
・肩書に”グロース”を入れる(グロースハッカー、グロースエンジニアなど)
・CEOに必ずレポートする
・データ分析を楽しめる人材で編成する
・CEOよりもアグレッシブな性格の人材を集める

 

⑤ツール

 
PMF
 

グロースハックにおいて、定性/定量データの分析は不可欠。

そして、それらのデータを収集するためのツールもまた不可欠です。
 
VASILYでは、上スライドのようなツールで分析を行っていますが、
どのツールを使うかはあまり重要ではなく、

・どういったデータを取りたいのか

・取りたいデータは最大限取れるようにツールを準備する

という2点が重要です。


3.Growth Hack(グロースハック)の実際のプロセス

では実際に、どのような手順でグロースハックをしていけば良いのか

グロース”ハック”というと、どうしても小手先に走りがちですが、
以下の6つの手順に沿って行えば、間違った方向にはいかないかと思います。


1. ファネルを可視化する
2. 改善感度の優先付け
3. 仮説リストアップ
4. 施策リストアップ
5. 仮説・実験・学習
6. レバレッジを見つける

 

1. ファネルを可視化する

ファネルとは、行動がより深くなるにつれて、その行動を行うユーザーが段々減っていく様が漏斗(ろうと)に似ていることから、
グロースハックやマーケティングの領域で用いられる概念です。

グロースハッカーは、まず各ファネルを数値とともに可視化することから始めましょう。

具体的に可視化するべきファネルは、以下の3つなど。

・AARRRという5ステップ間でのファネル可視化
 … 獲得、活性化、継続、紹介、収益、どこがネックになっているのかを視覚化する

・登録フロー周りでのファネル可視化
 … 一度は登録しようと思ったユーザーがどのステップで離脱しているのかを視覚化する

・Retention周りでのファネル可視化
 … ユーザー体験を数ステップに分け、どの段階でユーザーが離脱してしまっているのかを可視化する

 

2. 改善感度の優先付け

ファネルが可視化できたら、次は改善感度の優先付けです。

必ず”インパクト”の大きい順に手をつけるようにしましょう。

 

3. 仮説リストアップ

改善すべき箇所が見つかったら、次は仮説リストアップに移りましょう。

改善すべき箇所ということは、課題があるということを意味します。

そして課題には必ず原因があります。

その原因は何なのか。

より具体的には、何がユーザーに”苦痛”を与えているのか

その仮説をユーザーヒアリングやデータ分析をしながらグロースチームでディスカッションし、リストアップしましょう。

 

4. 施策リストアップ

仮説がリストアップ出来たら、それらを可能性が高い順に順番を付けましょう。
(ここでの可能性は、チームでの主観でOKです。)

そして可能性が最も高い仮説に対して、施策をリストアップし、
インパクトが大きく、工数が少ないものから高速で施策を打っていきましょう。

もし、最初に選んだ仮説に対して手応えがないようであれば、
2番目に可能性が高いと判断した仮説に対して同様のステップを踏みましょう。

 

5. 仮説・実験・学習

ステップ3、ステップ4の、仮説→実験(施策実行)に、学習を加えたサイクルを高速で回すようにしましょう。

仮説をもとに実験をし、実験結果から学習して次のサイクルに活かす、というサイクルです。

 

6. レバレッジを見つける

レバレッジとは、テコの原理のように、その部分に力を加えると、全体に数倍の作用を与えるものを言います。

グロースハックに成功している企業の多くは、レバレッジをうまく活用しています。

Facebookの例が有名ですね。

初日に、7人以上と友達になると、継続率が爆上がりするというデータをもとに、そこにレバレッジをかけて施策をしていきました。

ステップ1〜5をする中で、「この部分を改善すれば、全体の数値も向上するぞ!」という”レバレッジ”の部分を早期に発見し、そこにフォーカスして施策を行えるようにしましょう。

実際の事例などは以下の記事を参照
AARRR別、海外サービスのレバレッジ14選


4.グロースハックをより深く修得するためのカテゴリ毎 記事集

グロースハックとは

「グロースハック」とは何か 〜グロースハックをマスターするための究極のガイド〜
スタートアップにマーケターではなくグロースハッカーが必要な3つの理由
Growth Hackのメンタルフレームワーク

グロースハックの準備

グロースハックに必要な5つの前提条件
グロースハック以前に大事こと
PMFを獲得するためのLean UXとは
WEB業界の最強スパイになるための32のグロースハックツール
真に「データドリブン」であるための9つのルール

AARRR

海外アプリ・サービスのユーザー獲得アイデア10選
ゲーミフィケーションを活用してユーザーの継続率UP
Retention(再訪率)を最大化する施策10選
友人紹介でユーザー数を爆増させた海外サービス事例8選
ReferralをHACKしたUberの事例
クチコミをHACKするための5つのステップ
バイラルのユーザー増加を完全に数値化する方法
RevenueをHACKしたHuluの事例
すぐ実行できる35個のGrowth Hack施策チェックリスト

事例集

Dropboxのユーザー数を1.7億人に押し上げた7つのグロースハック
レバレッジを活用した海外サービス14選
Androidファーストでグロースハックしている海外サービス8選

心理学

WEBサービスをユーザーの習慣の一部にする方法[前編]
WEBサービスをユーザーの習慣の一部にする方法[後編]

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