博多座(福岡市博多区)がオープンして
博多座(福岡市博多区)がオープンして、6月で15周年を迎える。関西より西で本格的な歌舞伎公演ができる唯一の劇場。日本の伝統芸能の歌舞伎に間近で触れることができる貴重な施設だという。
福岡市にはかつて、九州劇場や大博劇場という芝居小屋があったが、歌舞伎興行の低迷もあり、次々に閉鎖。1972(昭和47)年の大博劇場の閉鎖で、芝居小屋は姿を消した。ある歌舞伎ファンが言う。「東京や関西は踏ん張ったのに、福岡は一時途絶えてしまった。また、一から歌舞伎ファンを育てないといけなくなった」と、30年近い空白期間を残念がる。
ふくおか都市圏版で「初めての『博多座』講座」を連載している(土曜日掲載)。世界へ広まった回り舞台。歌舞伎独特の見得(みえ)や六方(ろっぽう)…。私も、取材しながら歌舞伎の魅力を学んでいる。歴史を感じつつ、再び、歌舞伎文化が九州の地で盛んになることを願っている。 (中山憲康)
=2014/05/02付 西日本新聞朝刊=