3Dプリンター:殺傷能力ある拳銃所持容疑で大学職員逮捕

毎日新聞 2014年05月08日 11時22分(最終更新 05月08日 13時03分)

3Dプリンターで作製された拳銃(黄色と青色が殺傷能力のある拳銃)。奥の赤い色の機械が3Dプリンター=横浜市の神奈川警察署で2014年5月8日午前11時49分、小関勉撮影
3Dプリンターで作製された拳銃(黄色と青色が殺傷能力のある拳銃)。奥の赤い色の機械が3Dプリンター=横浜市の神奈川警察署で2014年5月8日午前11時49分、小関勉撮影

 ◇押収は国内初 「手製2丁を拳銃認定なら逮捕も仕方ない」

 3D(三次元)プリンターで製造したとみられる、殺傷能力のある樹脂の拳銃を所持したとして、神奈川県警は8日、川崎市高津区久末、湘南工科大職員、居村佳知容疑者(27)を銃刀法違反(所持)容疑で逮捕した。県警によると、3Dプリンターで製造された立体の構造物(3Dプリント)とみられる銃が国内で押収されたのは初めて。【鈴木敬子、松浦吉剛】

 居村容疑者は「警察が手製拳銃2丁を拳銃と認定したなら、逮捕されても仕方ない」と供述しているという。

 逮捕容疑は4月12日、3Dプリンターで製造したとみられる拳銃2丁を自宅で所持したとしている。県警は同日に行った家宅捜索で、居村容疑者の自宅から3Dプリントの拳銃5丁を押収。このうち2丁が殺傷能力基準の約5倍の威力があり、ベニヤ板(厚さ2・5ミリ)10枚以上を貫通した。実弾は見つかっていないという。今後、武器等製造法違反容疑でも捜査する。

 県警は今年に入り、居村容疑者が動画投稿サイトに自分が製造した拳銃を撃っているシーンの動画や「銃を持つ権利は基本的人権。銃を規制する動きに立ち向かう」などの書き込みを投稿しているのを確認し、捜査を進めていた。拳銃の設計図は、居村容疑者が海外のインターネットサイトからダウンロードしたとみられる。

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