選挙:滋賀県知事選 嘉田知事、3選不出馬 「未来」騒動、痛手に 続投、道断たれる

毎日新聞 2014年05月08日 大阪朝刊

 政治学者の大嶽秀夫・京都大名誉教授は「知事になってから新しいアイデアを生み出すのは難しい。2期8年で身を引く判断は適切」とした上で「原発や環境問題など国政の場でもまだまだ活躍できる」と評価した。

 一方、政治アナリストの伊藤惇夫さんは、2012年衆院選で小沢一郎氏とともに日本未来の党を結党し、後に小沢氏側と分裂した経緯を踏まえ、「政権争奪を背景とした中央政界の荒波に翻弄(ほんろう)され、疲れたのだろう」と推し量った。

 山田啓二・京都府知事は「不出馬は本人から聞いた。大飯原発など原発問題で行動を共にしてきたので寂しい」と漏らした。脱原発に向けた運動については「知事として各界に目配りをしなければならず、まい進するのは難しかったのではないか」と分析した。

 関西広域連合の連合長を務める井戸敏三・兵庫県知事は「地方分権のことなどでも国の消極的な対応に一緒に論戦してきた戦友。大変残念に思う」と惜しんだ。【武内彩、五十嵐和大、藤田文亮、久保聡】

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