はじめに
昨今、オープンデータを活用したハッカソン・アイデアソンが各地で行われ、つい最近でも「インターナショナルオープンデータデイ 2014(2月22日)」が開催され、世界各地でオープンデータでの動きは活発になってきてます。
各国での動きオープンデータデイの模様は以下を参照ください。
●オープン・データ・デイのハイライト/OKFJ
「オープンデータ」この気になるワードをざっくりまとめてみました。
国、自治体、独立行政法人、公益事業者等が保有する公共データを持ってます。この膨大なデータを使いやすい形で開放し、「透明性・信頼性の向上」「国民参加・官民協働の推進」「経済の活性化・行政の効率化」を目的として、市民・企業にも参加してもらい、行政の課題解決・新ビジネスの創出など、よりよい社会をつくっていこう。という動きです。
※説明不足がありましたらすいませんm(_ _)m
・オープンデータとは
・オープンデータの意義・目的
に関しては、以下の総務省のページに詳細があります。
ざっくり、オープンデータ関連のこれまでの流れ
○2010年7月
経済産業省の取組みで、電子政府の実現のためのインターネットでアイデア募集と共有意見交換、投票できる場「経済産業省アイディアボックス」設置。
○2012年7月
産官学が共同でオープンデータ流通環境の実現に向けた基盤整備を推進することを目的として、「オープンデータ流通推進コンソーシアム」が設立。
○2012年7月
英国で設立されたOpen Knowledge Foundationの日本グループ
Open Knowledge Foundation Japan(OKFJ)が設立。
ミッションステートメント
Open Knowledge Foundation Japan(OKFJ)は、政府保有データをはじめとする多様なデータの生成・公開・利用を支援する。データの活用を通じて人の行動やシステムの挙動が、より洗練され事実に基づいたものとなり、経済、人々の生活、民主主義、学術研究などの質が向上した社会を実現する。主要事業
エンジニア、IT企業、行政の担当者、研究者、利用者層に近い人、などが議論したり、互いを知ることができる場の用意
関連イベントへの支援(後援・出講・広報協力・開催運営)
ブログでの情報発信 ? 要望をとりまとめた意見表明や提言の発信「OKFJについて」より
○2013年1月
経済産業省、オープンデータ実証用サイト「Open DATA METI」(β版)の公開
経済産業省が保有している白書や統計などの公表データを加工しやすい形で保有データを公開。
○2013年6月
「世界最先端IT国家創造宣言」を閣議決定。オープンデータを推進する方針が確認。
世界最先端 IT 国家創造宣言について(PDF)
○2013年10月
市民参加型のコミュニティ運営を通じて、地域の課題を解決するためのアイディアを考え、テクノロジーを活用して公共サービスの開発や運営を支援していく非営利団体、
一般社団法人コード・フォー・ジャパン(CODE for JAPAN)設立
活動内容などについては、以下のスライドに詳細が記載されてます。
ともに考え、ともにつくる社会 Osc.gov プレゼンテーション/slideshare
また、Code for Japanがサポートで以下地域にもコミュニティが形成してます。
・Code for SABAE(福井県鯖江市)
・Code for KANAZAWA(金沢市)
・Code for AIZU(福島県会津若松市)
・Code for Sapporo(北海道札幌市)
今後も各地でCode for ●●ができそうです。
○2013年11月
オープンデータ流通推進コンソーシアムが総務省と共催で
「オープンデータ・アプリコンテスト」を開催を発表。
応募92作品一覧と、受賞作はこちらに記載されてます。
○2013年12月
内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室、
各府省が保有・公開するデータの案内や横断的検索の機能を備えたポータルサイト
「データカタログサイト試行版」を公開
○2014年2月22日
「インターナショナルオープンデータデイ 2014」が開催。
全世界で163の地域、国内では最多の32地域で開催され、課題意識のある市民・エンジニア・デザイナーなどが参加し、ハッカソン・アイデアソンが行われる。
以下の記事に詳細が記載されてます。
・地域の独自色前面に オープンデータデイ開催/オープンデータ情報ポータル
・International Open Data Hackathon
○2014年3月31 日
「データカタログサイト試行版」を停止
再開の時期については、あらためて告知するとしているが、明確なスケジュールは発表されてない状況です。
この点OKFJは政府に懸念を示し以下の表明を行いました。
「政府オープンデータをもっと利用者フレンドリーに:OKFJの懸念と日本政府へのお願い/OKFJ(2014年4月10日)」
○2014年4月15 日
政府のデータカタログサイト試行版が一旦閉鎖していることにともない
Data for Japanが datago.jpを開設
○2014年4月12日~14日
「International Space Apps Challenge」が東京大学駒場リサーチキャンパスにて開催。
これは、NASA主催のもと世界で同時に開催されるハッカソン。
NASAやJAXAの提供する様々なオープンデータを元に、科学者がデータの解析や使い方を説明し、一般の市民が世界を良くするアプリやグッズを開発し、企業は協賛の形でイベント開催をサポートする、三者が一体となって行うアイデアソン〜ハッカソンイベントです。
International Space Apps Challengeより
以下に開催の模様と結果発表の記載があります。
International Space Apps Challenge Tokyo 2014開催~1位を獲得したのは宇宙線を可視化するシステムをつくった「チーム☆インベーダ」/gihyo.jp
○2014年4月22日
経済産業省「OPEN METI」を公開
日本と世界各国の経済の動きを可視化をしてます。
オープンデータを活用してどのようなサービスがあるのか?
●アプリDe統計の試行版
2014年4月15日に総務省がリリースしたAndroidアプリ(Android OS4.0.3以上で利用可)
※iOS版もリリース予定。
自分のいる場所の市区町村の統計データをGPSと統計API機能を連動させ表示。
当面利用可能な主な統計データは、人口・世帯・民営事業所数・従業者数・主な価格(小売物価統計調査)・1ヶ月間の収入と支出(家計調査)など
●税金はどこへ行った?(119自治体のデータ ※2014/2/25時点)
イギリスの Open Knowledge Foundation が開発したオープンソースプログラムをもとにOpen Knowledge Foundation Japan(OKFJ)が開発している、自治体内での税金の使われ方がわかるサイト。住んでいる地域と年収を設定すればおおよその使い道がわかります。
●5374(ゴミナシ).jp(金沢市はじめ9都市のデータ ※2014/2/25時点)
Code for Kanazawaが開発した
いつ、どのゴミが収集されているのか?が一目で分かるWebアプリ。
山梨・静岡県内外で撮影した富士山の写真をユーザに投稿してもらい、富士山の魅力を国内外へ発信・共有することを目的とした富士山写真投稿・閲覧サイト。ここで投稿された写真は商用/非商用目的に使うことのできるオープンデータとして扱うようです。静岡県、山梨県及び株式会社ナイトレイ、NTT コミュニケーションズ株式会社、一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパンが運営。
●バスをさがす福岡(国土地理院データ活用)
Mashup Awards 9 シビックハック賞を受賞作品。
福岡は、福岡はバス網が発達した都市であるが、路線検索が難しい・運賃が分からない・目的地までの所要時間など分からない不便。そこを解決し、福岡の便利なバスを活かすためのアプリ。
Mashup Awards 9「シビックハック賞」プレゼンの模様は以下を参照。
【シビックハック賞レポート10/31】#MA9 シビックハック賞 決勝@WIRED CONFERENCE2013
●近所の消火栓(鯖江市データ) : 消火栓の場所をgoogleMAPにpinで表示。
●トイレ徒歩ナビ(鯖江市データ) : 公衆トイレの場所をgoogleMAPにpinで表示。
●WiFiマップ(鯖江市データ) : WiFiの場所をgoogleMAPにpinで表示。外国人観光客にいいのではないでしょうか。
一方海外では・・・
日本でのオープンデータのポータルサイト「データカタログサイト試行版」のあたるものがあります。
《アメリカ》 DATA.GOV
《イギリス》 DATA.GOV.UK
《フランス》 data.gouv.fr
《インド》 data.gov.in
《香港》 GovHK Datasets
《韓国》DATA.GO.KR
▼犯罪情報系
●Crime map(英国)
ロンドン市内の犯罪発生箇所と犯罪種類を表示。
●Crime Finder(英国)
GPSでカメラ映像に犯罪発生した場所との距離とともに、犯罪種類と件数を表示。
£0.69で販売(※2014/2/25時点)
その他、アメリカにも
spotcrime.com
があります。
▼公共サービス系
●FixMyStreet(英国)
行政の地図データ等を活用し、道路や街灯の破損箇所等について市民が入力し
行政にレポートをするサービス。
FixMyStreet Japanもあります。
●YOU CHOOSE(英国)
市の予算データを活用して、市民に予算状況を把握してもらい、予算削減の提案をするサービス。
以上がオープンデータ活用事例になります。
まだまだ色々な事例が世界各地でありますので以下サイトをのぞいて見てください。
・Code for America
・Open Knowledge Foundation
オープンデータをもっと知りたい何か作りたい方へ
●横浜市調査季報 174号 特集:自治体の未来を切り拓くオープンデータ
●Open Knowledge Foundation Japan(OKFJ)を見る・イベントに参加してみる。
ここの記事は海外OKF記事も日本語化されており内容が濃いです。
また勉強会等イベントも多いです。
●CODE for JAPANのfacebookグループに参加してみる
●国土地理院、防災アプリの機能向上に向け公募を実施
-官民共同で防災地図共用データベースを構築-
※4月末日登録受付締め切り
●勉強会・イベントに参加したいならここを定期的にチェック
Open Knowledge Foundation Japan(OKFJ)/オープンデータ・イベント・カレンダー
以下の3月国内オープンデータ関連の動きまとめをみると、各自治体が動いています。
OKFJニューズレター 2014/4月号(Vol.9)
この動きは全国各地で波及しそうです。
今後、このオープンデータを活用した市民主導の課題解決プロダクトならびに、
ビジネスサービスがますます増えそうですね。
今後もウォッチしていきたいと思います。