IDEAS + INNOVATIONS

WIRED VOL.11

WIRED VOL.11

WIRED VOL 11
 
NEWS

車椅子の乗り心地を変えた「ショックを吸収するホイール」

「オフロードでも利用できる車椅子」のために開発された、サスペンション内蔵型ホイール。自転車や自動車、列車などに広く応用可能だ。

 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加

TEXT BY JOSEPH FLAHERTY
PHOTO BY SOFTWHEEL
TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO

WIRED NEWS (US)

イスラエルの農業家ジラッド・ウォルフは、2008年に骨盤を骨折したが、農作物を枯れさせないため、車椅子で働くことにした。このとき、畑のデコボコを横切るときの痛みに苦んだウォルフ氏は、その後、オフロードに適した新設計の車椅子の開発を始めた。

農機具を基にしたソリューションをいくつか試した後、コンセプトを、テル・アヴィヴにあるRad-BioMed社に持ち込んだウォルフ氏は、同社の協力を得て「SoftWheel」を開発し、特許出願した。

従来の車椅子にはサスペンションがない。このため乗り心地が悪く、乗っている人が疲れるほか、エネルギーの最大30%が失われ、推進力としては70~80%しか使われないという。

「サスペンションのない固定車椅子を常に使っていると背中を痛める」と、SoftWheel社のダニエル・バレルCEOは話す。SoftWheelは、「バランスのとれた選択式の技術」で、この問題に対処している。

SoftWheelでは3本の圧縮シリンダーが内蔵されており、ホイール自体がショックを吸収することで、乗っている人に衝撃を伝えない。目標は、車椅子の重量を支えつつ、ホイールのハブを「空中に浮かせる」ことだ。これによって、車輪が衝撃に対応して、階段や縁石を、まるで普通の傾斜を下るようになめらかに移動できるようになる。

 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
LATEST NEWS

ARCHIVE

 
SHARE A COMMENT

コメントをシェアしよう

 
WIRED Vol.10 JOBS Interviewbanner

BACK TO TOP