芸能・メディア界のタブーに斬り込むエンタメ評論家、麻生香太郎氏への緊急インタビュー。危ないシリーズ「テレビ編」の第2回は、アジアでの体験から生番組の重要性を訴え、テレビ局幹部に迫ります。(豊田昌継)
→YouTubeで日本の人気番組は研究し尽くされている(1)
――前回、メディア環境でアジアは日本を追い越したと言われました
麻生: 例えば、アジアのテレビは生番組が圧倒的に多い。要するに収録・編集する予算がない。生は安上がりで、台本もなくてアドリブでやってます。でも、日本のテレビ創生期みたいに勢いがあるんです。向こうのプロデューサーにも聞きました。「視聴者からクレームはないんですか?」「もちろん、ガンガンかかってきます。でも、そんなの気にしていたら、テレビなんかやっていられません!」と。エンタテインメントって、そういう面白いモノを作るんだという意気込みというか勢いというか、ドライブするライブ感が一番じゃないですか。僕は日本でも生番組を増やせと言っているんです。
――でも、それは現実的に無理でしょう
麻生: いや、タレント拘束時間が減ります。現場スタッフの過労がなくなる。予算は少なくていい。いいことだらけです。今のままだと、放送コードが増えて出演者が自由に発言できない。となると、やはり勢いはなくなります。全部編集で切られてしまう。しかも、最近は視聴者も賢くなって、何かあったらテレビ局ではなくスポンサーに苦情電話をかけるようになった。スポンサーはイメージ悪化を一番嫌がることが分かっているのです。日テレ系「明日、ママがいない」もスポンサーが降りるという形でした。
copyright (c) 2014 Sankei Digital All rights reserved.
Facebookコメント