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【芸能・社会】

小西さやか リケジョから芸能界 正しい美容知識普及へ研究一筋

2014年5月8日 紙面から

コスメについて話すリケジョの小西さやか=東京都目黒区で(松崎浩一撮影)

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 菊川怜(36)や西川史子(43)ら芸能界でも“リケジョ”(理系女子)の活躍が注目される中、正しい美容知識を普及させようと研究一筋の人生から芸能界入りした小西さやか(35)。彼女の足跡をたどると、STAP細胞問題で揺れる理化学研究所の小保方晴子さん(30)にも共通するリケジョの苦悩も浮かび上がってきた。

 大手化粧品会社ノエビアで150以上の新商品を開発。大手芸能事務所ホリプロ入りしたのは約1年半前。転機は雑誌の読者モデルだった。

 「雑誌で化粧品の知識を伝えたら好評だった。でも研究所で習った正確な知識が一般の人に伝わっていない現実も知った」。正しい知識普及へ自ら検定制度を立ち上げるため、親の反対も振り切って独立。活動を広げるため、知人からホリプロを紹介された。

 現在はコスメコンシェルジュ・日本化粧品検定協会代表理事として、無駄を省いた「なまけ美容」法の推奨や、毎週200種以上の化粧品評価を行い雑誌などで紹介。「女神のマルシェ」(日本テレビ系)や「ピピッとサンデー」(文化放送)に出演したり、著書の執筆など多忙な日々を送る。「芸能界は何も知らなくて戸惑いもあった。でも化粧品の中身から語る立ち位置でちゃんと仕事できる」と満足そうだ。

 華麗な転身の陰で、研究者としての挫折や苦労も味わってきた。水質汚染問題に興味を持ち「日本で最も水処理研究が進んでいた」広島大学に進学。大学院に進み、国連機関の環境プロジェクトにも参加。将来は博士号を取って国連で働く夢を描いていた。

 だが「ずっとソファで寝泊まりで、食事は学食かコンビニ。髪も洗ってなかった。化粧品も使ったことがなくて女子力ゼロだった」。タンカー事故などで流出した石油の処理実験時には「薬剤の影響で、おでこが全部ニキビで覆われてしまった」。このとき初めて化粧品を使い、その楽しさに目覚めたことが大きな進路変更につながる。

 「夢と思ってきた研究が苦しくて、化粧品の世界に入った。ちょっと挫折した感じだった」。経済的にも厳しい研究環境の中で脱落していく仲間も多かったといい「博士号まで取るのはひと握り。その後も雇ってもらえるところがない。国連も大学も席の取り合い。研究所などを転々とする“たらい回し”が一般的」という。

 小保方さんも複数の研究所などを経て理研入りしている。「つらい日々を耐え抜いて自分の研究を頑張ってこられたのはすごいこと。尊敬してます」とキッパリ。リケジョブームの中で芸能界も小保方さんに関心を寄せている。「リケジョがクローズアップされることで、バックアップする仕組みができて研究しやすい時代が来るといいな」と期待を示した。

<小西さやか(こにし・さやか)> 1979(昭和54)年3月30日生まれ。兵庫県出身。広島大学・同大学院卒、工学(化学科)修士。国際連合大学の補助研究員を経てノエビアに入社。化粧品の研究開発9年のキャリアを持ち、2011年に日本化粧品検定協会を立ち上げ代表理事に就任。1月に最新著書「90%のクチコミは間違っている!?勘違いだらけのコスメ神話」発売。趣味はゴルフとマラソン。身長167センチ。血液型A。

 

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