中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

井岡一翔 プロ初黒星で王座戦失敗

2014年5月8日 紙面から

判定でアムナト・ルエンロン(左)に敗れ、無念の表情を見せる井岡一翔=ボディメーカーコロシアムで(横田信哉撮影)

写真

◇IBF世界フライ級タイトル戦

 ▽大阪・ボディメーカーコロシアム▽7日▽観衆8000人

 井岡一翔(25)=井岡=が初めての挫折を味わった。3階級制覇を目指してフライ級王者アムナト・ルエンロン(34)=タイ=に挑戦したが、老練さに完封され、1−2で判定負けした。プロ15戦目で初めての黒星で、亀田興毅に続く日本人2人目の3階級制覇は持ち越しとなった。ミニマム級王者高山勝成(30)=仲里=は同級10位小野心(31)=ワタナベ=に壮絶な打撃戦の末、2度のダウンを奪うなど3−0の判定勝ちし、2度目の防衛に成功した。高山は夢の4団体制覇に一歩前進した。

 奇妙な光景だった。試合終了と同時に井岡はリング上で父・一法会長に肩車をされて勝利をアピールした。その横で、同じように王者アムナトも肩車されていた。両陣営とも勝利を信じていた。そして、採点の結果は1−2で王者アムナト。11点差でアムナトの勝ちにしたジャッジもいた。結果が読み上げられると、井岡は悔しそうな顔をしたが、ある程度予想していたような表情でもあった。

 34歳の王者は、うまくて老練だった。井岡はガードを固めて前に出たが、あらゆる角度から飛んでくるアッパーとロングフックで迎撃された。井岡の攻撃は空転。8回以降、王者に疲れが見られ、突き入る隙があるように思われたが、ムエタイの首相撲を応用したような絶妙なクリンチワークで流れを止められた。

 アムナトとはアマ時代の2008年に国際大会で対戦し、判定負けした。その雪辱をして、日本人最速のプロ15戦目で3階級制覇のシナリオを描いていた。3階級制覇は尊敬する叔父・井岡弘樹が4度挑戦して果たせなかった夢だ。井岡家の悲願だったが、厚い壁に阻まれた。

 井上尚弥に先月破られたものの、それまで国内最速記録となるプロ7戦での世界奪取を達成した時も、そして2階級制覇を果たした時も、井岡は有言実行で目標を乗り越えた。しかし、今回は有言“不実行”でプロ初黒星を喫した。

 だが、これでへこたれるようなヤワな男じゃない。試合後はサバサバした表情で「厳しい試合をものにできなかったのは悔しいし歯がゆい。2ポイント取ったかなと思ったけど…。期待してくださった方をガックリさせたのは申し訳ないが、このままで終わらないので待っててください」と話した。井岡は挫折を知って、さらに強くなって帰ってくる。 (竹下陽二)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ