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最終更新:2014年5月7日(水) 15時26分

安倍首相「中国は国際社会の懸念」と批判

 ベルギーを訪問中の安倍総理は、NATO=北大西洋条約機構の本部で演説し、世界の平和と安定に貢献したいという考えを強調する一方、中国については「国際社会の懸念事項となっている」と名指しで批判しました。

 日本の総理大臣として2回目となるNATO本部での演説で、安倍総理はまず、日本とNATOは、「基本的価値を共有するパートナーだ」と強調しました。その上で、安倍政権が目指している集団的自衛権の行使容認を念頭に次のように述べました。

 「日本はこれまで以上に、世界の平和と繁栄に強くコミットしていきます。空の自由、海の自由といった『国際公共財』を守り抜くため、より積極的な役割を果たさなければならないと考えています」(安倍首相)

 また、「アジア太平洋地域の安全保障環境もいっそう厳しさを増している」と指摘した上で、「特に中国の対外姿勢、軍事動向については、我が国を含む国際社会の懸念事項となっている」と述べ、中国を名指しで批判しました。さらに、「東シナ海では、尖閣諸島周辺の日本の領海への侵入が続いている。我が国領空に接近する軍用機に対する自衛隊機のスクランブル発進回数は今や、冷戦最盛期と同水準にまで達している」と語るなど、東アジア情勢が緊迫化していることを強く訴え、「価値を共有するNATOおよびその加盟国と、さらなる協力を進めていきたい」と強調しました。

 中国に対しては、この連休中に超党派の国会議員団が北京を訪れ、関係改善の道を探りましたが、そうした中で総理が中国を名指しで批判する演説を行ったことについて、自民党幹部からは「そんなことを言わなくてもいいのに」という声も上がっています。(07日11:02)

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