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千葉テレビの枠を買った男がいた? ジャガーさん、「自分」を11年半放送

産経新聞 5月7日(水)21時8分配信

 「ジャガーでーす」

 インパクトのあるハスキーな声と金髪、こわもての外見。独特の音楽性。県内を中心に活動するミュージシャンのジャガーさんは、昭和の終盤以降に一部の若者から熱烈な支持を受け、数々のテレビ番組や雑誌に登場していた有名人だ。

 ジャガーさんには「実はお金持ちで、千葉テレビの枠を買い、自分の番組を10年以上放送した」という破天荒な伝説がある。その番組とは、昭和60年から平成22年に3期間にわたって計約11年半放送された「ハロージャガー」。自作曲とDJで構成される週1回程度の放送は「難解」とも言われ、番組自体も伝説的に語り継がれる。

 幕張メッセ(千葉市美浜区)で4月に開かれた、みうらじゅんさんらのイベントにゲスト出演したジャガーさんを直撃した。最近はテレビなどの出演は少なく、この日のようなイベント出演も年に数回程度という。だが、動画配信のユーストリームで毎週生放送を行っており、活動はバリバリの現役だ。

 千葉テレビの枠を買っていたのは事実という。「自分の曲を広く届けるために考えた」もので、実はテレビ東京とも交渉したが、「高いのでやめた」そうだ。週1回の番組は自ら制作・出演・編集したもので、「放送局と同じ機材をそろえたから、最初は莫大(ばくだい)な投資だった。1億円ぐらいかな…」。

 さて、テレビの枠はいくらあれば個人で買えるのか。そこは「秘密」とのことで、千葉テレビからも回答は得られなかった。

 千葉テレビによると、同社が17年に展開した「ファイト!ファイト!ちば」キャンペーンでは、ビデオ出演での協力を依頼したところ、ジャガーさんは自主的に3日で同名の歌を制作してきたという。本県への「愛」をふんだんに盛り込んだこの曲は、一部のカラオケ店で歌える。

 ジャガーさんは「ジャガー星」出身と自称する。地球での仮の姿は千葉県市川市を拠点とする社員約40人の洋裁チェーンを営む実業家で、かつては美容室、ライブハウス、看板制作工場なども経営していた。

 千葉県出身の「氣志團」の綾小路翔さんなど、スタイルがぶれないベテランを慕うミュージシャンも多い。気さくにネットで交流するため、一般の人たちからも人気を集めている。

 「『分かってくれたんだな』という感じ。今はネットで、新たにジャガーを知ってくれる人が増えている」と少しうれしそうに話した(気がした)。そして、「夢と希望を持って、前を向いて進んでいけよ!」と読者にメッセージをくれた。

 ジャガー星のことや地球上での年齢など、今回の検証ではすべての謎は判明しなかったが、世の中には探るのがやぼな秘密もある。ご当地スーパースター、永遠なれ!(芦川雄大)

 ◆ジャガーさんには、ほかにもさまざまな伝説が語られている。本人に真偽を確認した

 人気バンド「爆風スランプ」で一時ベースを担当した →「本当。テレビにも出た」

 千葉マリンスタジアム(現QVCマリンフィールド)の命名権を手に入れようとした →「それは嘘(苦笑)」

 多くのミュージシャンが、無名時代にジャガーさんの経営する店で働いていた →「hide(元X JAPAN、平成10年死去)や、大槻ケンヂ君が市川の看板工場にいた。ショウ君(綾小路翔さん)は『断られた』と言っていた。ほかにもいるらしいけど、よく分からない」

最終更新:5月7日(水)23時30分

産経新聞

 

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