携帯大手3社決算:ソフトバンク1兆円突破 国内トップに

毎日新聞 2014年05月07日 20時26分(最終更新 05月08日 04時16分)

携帯電話大手3社の14年3月期連結決算
携帯電話大手3社の14年3月期連結決算

 携帯電話大手3社の2014年3月期連結決算が7日出そろった。ソフトバンクは営業利益が前期比35%増の1兆853億円と初めて1兆円を突破、売上高、最終利益とともにNTTドコモを抜き通期業績で国内トップに立った。一方、ドコモは昨年9月に人気の米アップル「iPhone(アイフォーン)」を投入したものの、販売が想定を下回り、05年3月期以来9年ぶりの減収減益となった。

 ソフトバンクは昨年7月に米携帯電話大手のスプリントを買収した効果が加わり、売上高が6兆6666億円と前期比約2倍に拡大。最終(当期)利益も41.5%増に膨らんだ。7日、東京都内で記者会見した孫正義社長は「ドコモを必ず抜くとボーダフォン日本法人を買収した日から決意していた」と語った。

 料金値下げやアイフォーンの先行投入で規模を拡大してきたソフトバンク。国内の携帯電話に占めるスマートフォン(多機能携帯電話)の比率が5割近くに達した中、ドコモもアイフォーン販売を始めたことで各社の国内での競争条件はほぼ互角となり、今後はどの分野に成長を求めるかの戦略の違いが業績を左右する段階に入っている。

 ソフトバンクは「全体の企業価値を伸ばすのは海外」(孫社長)とし、スプリントの収益の安定化や米携帯電話4位のTモバイルUSの買収を検討するなどして北米市場での足固めを急ぐ。

 「個人が複数の端末を持てるような環境を作る」と語るのはKDDIの田中孝司社長だ。同社は音楽や動画などのサービスをスマホだけでなくタブレット端末でも使いやすくしてデータ通信料収入の底上げを図る方針だ。

 一方、ドコモは6月から始める音声通話料やデータ通信量を家族で共有できる新料金プランの導入で音声通話収入の減少などを見込んでいる。【横山三加子】

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