ソウル地下鉄事故、「こんな国をどう信じろと?」・・・続発する事故に「呆れるほかない」=韓国報道


 韓国のソウル市内の地下鉄2号線の上往十里(サンワンシムニ)駅で2日午後3時30分頃、ホームに停車中の電車に後続の電車が追突する事故が発生した。事故当時、車内にいた乗客約1000人のうち約240人が負傷した。複数の韓国メディアが報じた。  負傷者は軽傷者がほとんどだったが、59人(3日、午前10時現在)は病院で治療を受け、そのうち3人は脳出血などの重傷で、停車中の電車と追突した車両の運転士も国立医療センターに搬送され、治療中という。  韓国メディアは、「安全非常時にソウル地下鉄事故…、こんな国をどう信じろと?」、「セウォル号沈没事故の悪夢が覚めやらぬ前に、 2号線追突事故…国民の不安は深刻に」などと題して、今回の衝突事故は珍島(チンド)沖で沈没したセウォル号に次ぐ大惨事になりかねない事故であったと伝えた。  電車が追突した後、車内で倒れた乗客たちは、暗闇の中で不安に震えていたという。セウォル号沈没事故では犠牲者の多くが船内に留まっていたことが原因であったためか、一部の乗客は自ら緊急ドアを開け、危険を承知で線路に沿って歩いて避難したという。  ずさんな安全管理に対して国民の不安が募るなか、決してあってはならない事故が起きたことについて、「呆れるほかない」と厳しく批判した。  また、韓国政府は、セウォル号の惨事をきっかけに、4月23日から5月23日までに、道路、航空、鉄道などの災害リスクがある施設4000カ所を対象に安全点検を行っている。さらに遡って4月3日には、ソウルメトロとコレイル(韓国鉄道公社)など、首都圏の電車運営機関に列車事故を防ぐための特別な安全点検を行うよう指示していた。  しかし、実際の現場では、いまだに「事なかれ主義」の雰囲気がただよっていることが、今回の事故で明らかになったと指摘した。  一方、ソウル地方警察庁捜査本部は3日午前11時30分、ソウルメトロ本社を家宅捜索するなど、本格的な捜査に入った。(編集担当:李信恵)