殺害された古美術店経営者の告別式5月7日 20時44分
今月3日に殺害された東京・国立市の古美術店「孤董館」の経営者の田代正美さん(73)の告別式が7日午前、自宅のある八王子市内の葬儀場で営まれ、近所の人や仕事仲間およそ70人が参列し、田代さんの突然の死を悼みました。
店のホームページなどによりますと、田代さんは昭和43年に八王子市内で開業し、その後、タイやアメリカで古美術品の仕入れや中国陶器の勉強をするなどしたあと昭和49年に帰国。その翌年に国立市に「孤董館」を開業したということです。
店では、主に唐津焼や織部焼など安土桃山時代から江戸時代初期にかけての鑑賞用の陶磁器をはじめ、茶道具や掛け軸なども取り扱っていたということです。
田代さんの友人で同じく古美術品店を営む男性によりますと、田代さんはふだん顧客の要望があると店を開けて対応することが多く、電話を受けて直接、顧客のもとを訪れ、取り引きすることもあったということです。
この男性は「田代さんの店はこの辺りではいちばん古い古美術店なので常連客も多いと思います。そのため、ふだんはあまり店を開けていないと話していました。とても明るい人で、客とトラブルがあったという話は一切聞いたことがありません」と話しています。
警視庁によりますと、今回の事件では、ショーウィンドーに陳列してあったつぼなど7、8点に加え、当日に田代さんが買い付けた刀剣など合わせて十数点が見当たらず、犯人が田代さんを殺害したあとに奪って逃げたとみられています。
盗難被害の美術品は通報
東京の南青山で美術品を売買している会社によりますと、古美術品などを店に売りに来た人に対し、店側は古物営業法に基づいて免許証などの提示を求め、誰から品物を買い取ったかを記録しておくことになっているということです。
また、盗難の被害に遭った美術品については、警察が写真の付いたリストを店に配布するので、仮に盗品が持ち込まれれば警察に通報することにしているということです。
東京美術商協同組合の理事で美術品を売買している会社を経営する八木康夫さんは「美術品を盗んで売っても、どこで売ったかは通報されるので、すぐに分かるようになっているうえ、美術品はきちんとした店に売らなければ高く売れない。高い商品を盗んでもなかなか売れず、プロの窃盗団などはあまり狙わないので、今回の事件で犯人はなぜ古美術品を盗んだのだろうかと思う」と話していました。
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