本書は、平成8年にニッポン放送プロジェクトが出版したコミック本である。タイトルや本書の内容に同性愛者を侮蔑したり、同性愛差別を助長する旨の記述があり、同性愛者の活動団体の訴えによって、発行年度中に発行禁止となり回収された。したがって、出回っている部数は少なく、希少な書籍と思われる。同時にこの書籍は、日本における同性愛差別の歴史を顧みる上で重要な資料でもある。
この手の「同性愛ネタ」お笑い本は、非当事者には受けが良く、当時の青少年の間では笑いのタネとして非常にもてはやされていた。中には学校図書としておいている学校もあった。本書の出版から公立の学校の図書室に並べられるまで(同性愛者の当事者団体が声を上げるまで)、だれ一人としてこの書籍の抱える問題について指摘する者がなかった時代があったという客観的な事実を本書は証明している。この本が子どもたちの間で読まれ、学校で笑いのタネとしてもてはやされていたその時代、そこにも当事者の子どもがいて、侮蔑に耐えながら学校生活を送っていたことを忘れてはならない。そんなことを考えるきっかけを与えてくれる歴史的資料である。